2022 Fiscal Year Research-status Report
Multiple approach to evaluate dysphagia condition using animal model
Project/Area Number |
22KK0139
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
井上 誠 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00303131)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 恭憲 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00548935)
那小屋 公太 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10806491)
吉原 翠 新潟大学, 医歯学系, 助教 (70882330)
真柄 仁 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (90452060)
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2025-03-31
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Keywords | 歯科 / 嚥下 / 摂食嚥下障害 / 疾患モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:呼吸と嚥下の末梢制御メカニズム研究の第一人者であるJohns HopkinsのProf. Canning,疾患動物モデルの嚥下機能評価を確立してきたUniversity of MissouriのDr. Leverらとともに,咳嗽研究の技術を活用して嚥下反射誘発に関わる神経回路網を解明すること,モデル動物を用いて,疾患がもたらす運動病態を神経生理学的に明らかにすること,さらに口腔機能との関連を明らかにすることを研究目標とした共同研究を進める. 経過:実験(1)嚥下受容体と嚥下反射に関わる中枢制御機構は共通しているとの示唆はあるもののその実態は明らかでない.そこでJohns HopkinsのProf Canningのラボにて,脳幹延髄部にて咳と嚥下誘発に関わる神経にオーバーラップがあるかどうかを組織学的,生理学的に明らかにする.実験系の確立はほぼ終了した.今後化学刺激誘発性の嚥下または咳嗽反射応答を確認して,末梢刺激部位,刺激様式,関連する受容体の違いを明らかにする.さらに,延髄脳幹部への微小刺激で嚥下または咳嗽を誘発した後に同部位に逆行性トレーサーを注入し,受容体とのダブルラベリングによりこれらの受容体の局在の違いを組織学的に確認する.実験(2)健常若年モデルを用いて,軟食がもたらす咀嚼筋の廃用,分泌されるHemopexinが筋,血管内,脳内(海馬)にて観察されるか否かを確認する目的での実験を開始した.Pellet,Powder pelletを用いた実験により,咀嚼時のみならず,一日の咀嚼筋活動量もまた後者で有意に減少していること,後者では体長にも変化がもたらされることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
経過:実験(1)嚥下受容体と嚥下反射に関わる中枢制御機構解明のためのセットアップがJohns Hopkins側でも終了した.実験(2)慢性実験のセットアップを完了し,各飼料飼育による体調計測,筋電図記録を開始し,上記の結果を得るまでにいたっている.良好な進捗が得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
実験(1)Johns Hopkinsサイドで行う咳嗽研究のために,まずは新潟大学側で嚥下研究を先行する.In vivoモデルを用いた実験系により,現在までにPotassium受容体が嚥下誘発に促進効果があることが示唆されたため,生理学的,組織学的手法を用いてその特定を行う.さらに,延髄脳幹部への微小刺激で嚥下または咳嗽を誘発した後に同部位に逆行性トレーサーを注入し,受容体とのダブルラベリングによりこれらの受容体の局在の違いを組織学的に確認する.実験(2)健常若年および老齢モデルを用いて,軟食がもたらす咀嚼筋の廃用,分泌されるHemopexinが筋,血管内,脳内(海馬)にて観察されるか否かを確認し,さらに行動学的実験にて海馬における神経新生への影響を確認する.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大の影響で一部海外渡航が制限されており,成果発表ができなかった.
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Research Products
(4 results)