2023 Fiscal Year Research-status Report
Establishment of benchmark data to evaluate Green Recovery in tropical Asia
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22KK0165
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
高田 秀重 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70187970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 典秀 神奈川大学, 化学生命学部, 准教授 (00391615)
田中 厚資 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環領域, 研究員 (10896327)
水川 薫子 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (50636868)
熊田 英峰 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (60318194)
楊 美玉 東京農工大学, 農学部, 産学官連携研究員 (60931467) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2022-10-07 – 2026-03-31
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Keywords | 熱帯アジア / 廃棄物埋立処分場 / 合成甘味料 / 多環芳香族炭化水素 / ホパン / フィリピン / マレーシア / インドネシア |
Outline of Annual Research Achievements |
現地調査は2023年7月にジャカルタ(インドネシア)および2023年9月にマニラ(フィリピン)で行った。ジャカルタの調査は、ランプーン大学のRinawati氏により、コーディネートされ、市内運河10地点で水試料と堆積物試料、廃棄物埋立処分場浸出水4試料、ジャカルタ湾海岸漂着レジンペレットを採取した。水試料は現地の研究室において、ろ過および固相抽出を施した。マニラの調査は、フィリピン大学のCharita Kwan氏により、コーディネートされ、市内運河6地点、市内を縦断するパシック川8地点で河川水と堆積物、廃棄物埋立処分場(Payatas処分場)で浸出水3試料、マニラ湾海岸漂着レジンペレットを採取した。水試料は現地の研究室において、ろ過および固相抽出を施した。 冷凍して日本に持ち帰った水試料(ろ液)のうち、ジャカルタの試料について、合成甘味料の分析を行い、結果を2010年の観測結果と比較した。分析はオンライン濃縮装置付きLC-MS/MSで行った。未処理下水の指標となるサッカリンが検出され、サッカリン/アセスルファム比は中央値で0.5程度で2010年と同程度であり、下水道の普及が進んでいないことが確認された。 マレーシアとインドネシアの堆積物試料について、多環芳香族炭化水素類(PAHs)、ホパンの分析を行った。堆積物を凍結乾燥させたのち、ASEにより加圧流体抽出し、サロゲートを添加し、2段階のシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画・精製し、GC-MSを用いて同定・定量した。PAHs濃度は両国とも経年的に大きく変化していない一方で、石油汚染指標のホパン濃度及びMP/P比は経年的に低下傾向を示していた。このことから、2000年代に主要な負荷源であった廃エンジンオイルの投棄等の直接の石油起源の寄与は減少し、自動車排ガス等の燃焼起源の寄与が増加していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで予定した3ヵ国(マレーシア、インドネシア、フィリピン)での調査・試料採取・分析は順調に進み、環境汚染の経時的な変化、環境汚染対策の進捗や遅滞の状況が把握できた。2023年度についても、2022年度に引き続き、現地カウンターパートとの事前の密なやりとりにより調査・試料採取を予定通りに行うことができた。特に、ごみ処分場の試料は入手が難しいが、カウンターパートの尽力により試料をえることができた点は、当初の計画を超える成果である。2023年度も現地調査にはカウンターパートの他に若手の研究者や先方の大学院生も参加し、日本から同行した若手研究者、大学院生とのオンサイトでの交流をはかることができた。さらに、本研究でマーカーとして取り上げている合成甘味料についての論文を学術雑誌に投稿し、掲載され、本研究の結果を比較するためのベンチマークデータを作ることができた。この論文の対象国にはマレーシア、インドネシア、フィリピンも含まれており、論文作成の過程で本研究のカウンターパートとの議論も進んだ。未分析の項目もいくつかあるが、計画以上の試料採取もあったことから、全体としてはおおむね順調に進展してると評価される。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、当初の計画通り、インドでの調査を行う予定である。また、2023年度の分析から、マレーシア、インドネシアで廃エンジンオイルの投棄による汚染が減り、自動車の走行に伴う汚染が増加する傾向が見えてきた。これをさらに検証するために、次年度より新たにタイヤ摩耗粒子を堆積物試料について分析する。未分析の国(フィリピン)、未分析の項目(抗生物質)について分析を進める。分析結果が出そろったところで、マレーシア、インドネシア、フィリピンの研究者とオンラインデータ解析会を開催する。
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Causes of Carryover |
本年度の試料の分析は、関連のテーマの大学院生と学部学生の修士論文、卒業論文研究の内容と一致したため、修士論文、卒業研究論文の一環として化学分析が行われたため、学生に謝金を支出する必要がなくなり、未使用額が生じた。次年度以降はこれまで未分析の成分の分析を謝金を出して、学生に依頼する必要があり、そこに次年度に繰り越した予算の一部を使用する。また、次年度より新たにタイヤ摩耗粒子の分析を開始するため、その分析および分析法の検討にも消耗品費として次年度への繰り越し分の一部を充てる計画である。さらに、円安で海外渡航費が高騰することが予想されるので、次年度のインド調査費用が予想よりも高くなると考えられるので、そこにも次年度への繰り越し分を充てる計画である。
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Research Products
(1 results)