2022 Fiscal Year Research-status Report
Intra-single cell analysis clarifies the mechanism of bone remodeling and improves prognosis of hip fractures
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22KK0272
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 寛之 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (10883481)
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Project Period (FY) |
2022 – 2024
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Keywords | 破骨細胞 / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
大腿骨近位部骨折の治療成績向上は、超高齢社会日本が取り組むべき急務である。1細胞解析は細胞内多様性の理解を深めるが、骨への応用は 遅れていた。骨折手術において、これまで取得できていなかった情報取得のため、申請者は骨への1細胞解析応用を試み、ヒト骨折骨髄バンク 立ち上げた。次に骨をこわす多核巨細胞である破骨細胞の1細胞解析を行い、生物種間差を明らかにした。さらに多核細胞の「多」核の意義 を追求した。 本研究は、多核細胞の同一細胞内において存在する核間の遺伝子発現の相違を明らかにするプラットフォームintra-single cell sequencing (iSCseq)を開発し、mRNA遺伝子発現解析からDNAメチル化解析、さらに北米で開発が先行するヒストン修飾解析を1細胞「内」レベルで行う。iSC-seqを含め1細胞解析技術を普及し、骨リモデリング多細胞系の全貌に迫る。我々が開発したiSC-seq(intra-single cell sequencing)により同一細胞「内」にまで存在する遺伝子発現不均一性エピジェネティクス制御機構を解明する。 骨リモデリングに関わる多細胞系を理解し、新たな骨折修復促進因子を同定する。 1細胞内解析技術をコア技術として、国際的共同研究を加速する。骨形成側の主に骨細胞の知見と、骨吸収側の破骨細胞の知見をマッチさせることによって、骨リモデリングに関わる多細胞系の全容解明につなげる。 渡航前の2022年度には、事前研究として、intra-single cell sequencing(iSCseq)の改良を重ねており、2023年度早々にハーバード大学チームと共同で発表する予定にしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際共同研究Aに採択いただいて直ちに、Harvard School of Dental MedicineのJ1 scholarship申請を行った。2023.3.21同大学でVisiting Assistant Professorとしての受入通知を頂いた。2023.3.31時点ではJ1 scholarship申請が受理されていなかったが、2023.4.12に到着し、4.13オンラインで米国大使館にJ1 visa申請を行った。これまでの日本からの渡航事例を見ても、順調に受入申請が進んでいると考えている。 日本で渡航前の事前研究として、intra-single cell sequencing(iSCseq)の改良を重ねている。サンプル数をiSCseq初稿時の10倍以上として、より選択バイアスを低減した解析が可能になった。今後iSCseqを改良したバージョンのリリースを早急に予定しており、ハーバード大学チームとの交渉を渡航前後に頻回に進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
< 海外共同研究者 > Roland Baron教授、 Francesca Gori准教授 < 所属研究機関 > Department of Oral Medicine, Infection, and Immunit y, Harvard School of Dental Medicine < 渡航中 > Bostonに設置される機器を使用しての実験を予定している。骨代謝学、骨形態計測学の知見が豊富なBaron教授、Gori准教授と現地 でディスカッションを重ね、我々の次世代シーケンサを駆使した研究をさらに洗練させる。合同研究チームによる骨の生物学の根幹に関わる知 見が期待できる。さらに既に北米で報告されているが本邦では未導入である、1細胞インプットのChIP-seq技術を駆使した研究展開を予定している。我々のiSC-seq法と組み合わせて、多核細胞内のエピゲノム調節機構の解明を推進する。 < 帰国後 > 渡航により得たテクニックを国内ラボでも完遂できるように整備を行う。さらに国際共同研究を加速するため、岡田および教室関 連員が定期的に相互交流できるよう計画している。デジタルトランスフォーメーション推進研究の重要性を広めたいと考えている。
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