2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23000008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾辻 泰一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40315172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末光 眞希 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00134057)
リズィー ヴィクトール・I 会津大学, コンピュータ理工学部, 教授 (90254078)
佐野 栄一 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (10333650)
末光 哲也 東北大学, 電気通信研究所, 准教授 (90447186)
佐藤 昭 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (70510410)
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Keywords | グラフェン / テラヘルツ / レーザー / 光学励起 / 電流注入 |
Research Abstract |
研究開始初年度にあたる本年度は、グラフェンレーザーの基本動作原理の確認・検証を中心に基盤技術の確立をめざし、以下の研究を実施した。 1.光ポンピングによるグラフェン・THzレーザー発振の実現に向けた検討 ・剥離グラフェンを0.8eVのフェムト秒レーザーでポンプした数ピコ秒後にピコ秒テラヘルツパルスを照射し、その透過・反射光を時間分解測定した結果、ポンピング強度1x10^6W/cm^2付近を閾値として室温下で誘導増幅放出が1~6THzの広いテラヘルツ帯域で得られることを実証することに成功した。 ・キャリア温度・疑似フェルミ準位および格子温度のポンピングフォトンエネルギー依存性を解析した結果、ポンピングフォトンエネルギーの低下によってキャリア温度上昇が抑制され、負性導電率のポンピング閾値低減ができることを明らかにした。 ・Si(110)および(100)面上に3C-SCをエビ成長しその表面をアニールでグラフェン化して得られる単層グラフェンの性質を保った多層グラフェンによってポンピング光の吸光度が向上し、光ポンピング効率の改善効果が得られることを確認した。 2.電流注入型グラフェン・THzレーザー要素技術の確立 ・p-i-n接合による申請者らオリジナルの基本素子構造を基本とし、デバイスモデリングの高精度化により、レーザー発振閾値・注入効率を明らかにした。 ・デュアルゲート型グラフェンチャネルFETを試作し、グラフェンチャネル中のp-i-n発現とドレインバイアス印加にともなうテラヘルツフォトン自然放出を確認し、期待通りの反転分布が得られることを確認した。 3.ボトムアップ型グラフェン成長・要素技術の開発 ・Si基板面方位によるグラフェンスタック構造の制御を実現した。 ・Si基板上の微細領域にグラフェンをボトムアップ成長する条件が結晶品質に及ぼす影響を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の影響により、研究開始が2か月遅延したことに加え、実験施設(クリーンルーム)、実験機器が被害を受け、復旧までに当初計画より6ヶ月の遅延が生じたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに推進する。次年度(24年度)は、次の3つの課題を柱としてより強力に推進する。 1.光ポンピングによるグラフェン・THzレーザー発振の実現 テラヘルツレーザー共振器を構成し、レーザー発振の実現と温度依存性の検証を行う。 2.電流注入型グラフェン・THzレーザー要素技術の確立 デュアルゲート型グラフェンFETを試作し、テラヘルツ自然放出光増強を実証し、誘導放出へと進める。 3.ボトムアップ型グラフェン成長・要素技術の開発 Si基板上にボトムアップ成長したグラフェンの結晶品質向上のための成長条件の最適化を実施する。
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Research Products
(108 results)