2012 Fiscal Year Annual Research Report
固液界面での光励起キャリアダイナミクスに基づいた革新的水分解光触媒の開発
Project/Area Number |
23000009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堂免 一成 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10155624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魚崎 浩平 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス拠点, ナノグリーン分野コーデイネータ (20133697)
山方 啓 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60321915)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 表面界面物性 / 光触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、水を水素と酸素に分解することによりこれまでにない高い効率で太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する人工光合成型の微粒子光触媒システムの開発を最終目的とする。そのために、光励起・励起キャリア移動・表面反応過程の精密解析を行うとともに、新規な構造を有する光エネルギー変換システムの構築を目指す。 本年度は600 nm 程度までの光を吸収可能なLaTiO2NやTa3N5、BaTaO2Nといった可視光応答型水分解光触媒を主たる対象として研究を実施した。フラックス法や錯体重合法等を用いた各種調製法や調製条件の検討を行い、組成の制御ともに、粒径や形態、結晶性の制御を図った。一部の光触媒材料については結晶癖の発達した結晶を得ることに成功した。また、組成や調製法を検討することによって、新規な酸窒化物系において酸素・水素の同時生成を確認できた。さらにこれらの種々の系において、in-situ XAFS、時間分解分光法等の手法を用いた評価を行い、キャリア移動、キャリア寿命、界面電子状態等に関する知見が得られ、光触媒活性との関連を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題はほぼ順調に進捗している。光触媒粒子の形態制御が可能になりつつあり、また、種々の良質界面形成手法の開発も着実に進展している。これらの要素技術を組み合わせることで高度な異方的修飾が可能になると期待される。さらにin-situ分光評価等の知見から開発指針が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
光触媒の粒径や結晶性、形態の制御を目指すとともに、異方的修飾や水素生成サイトと酸素生成サイトとの分離構築、助触媒との良質界面設計などに取り組み、光触媒活性の飛躍的向上を目指す。研究分担者らによるin-situ分光評価などによる知見を活かして、光触媒開発、助触媒開発、界面設計といった材料開発を行う。また、従来の紫外光応答型光触媒とは異なるキャリア挙動も観察されており、適宜測定システム等の改良等を行い、より詳細な評価・解析を実施する。
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