2011 Fiscal Year Annual Research Report
不揮発性および再構成可能な機能をもつ半導体材料とデバイスの研究開発
Project/Area Number |
23000010
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 雅明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30192636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大矢 忍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20401143)
中根 了昌 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (50422332)
ファムナム ハイ 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任助教 (50571717)
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Keywords | スピン / スピントロニクス / 半導体 / 強磁性体 / 磁性半導体 / ナノ微粒子 / 分子線エピタキシー / トンネル効果 |
Research Abstract |
半導体材料あるいはデバイス構造中に磁性元素や強磁性材料を構成要素として取り込み、キャリアの電荷輸送に加えてスピン自由度をも活用する新しい機能材料やデバイスを作ることを目的とした研究を行っている。.本年度は、不揮発性および再構成可能な機能をもつデバイス作製のための材料形成および物性機能の制御を目指した基礎研究、特に、デバイスの構成要素であるIII-V族およびIV族ベースの磁性半導体、半導体と整合性の良い強磁性金属とそのヘテロ構造のエピタキシャル成長による形成、評価、物性制御の研究を中心に行い、以下の成果を得た。 (1)現有のクリーンルーム、実験装置などが使えるが、現有の分子線エピタキシー(MBE)装置は老朽化が甚だしいため、新たにIII-V族磁性半導体、磁性金属エピタキシャル成長用MBE装置を設計、製作し、立ち上げを行った。 (2)III-V族強磁性半導体GaMnAs量子井戸における共鳴準位を系統的に観測・解析することによって、電気的性質(金属的か絶縁体的か)や強磁性転移温度にかかわらずGaMnAsのフェルミ準位E_Fは従来の通説とは異なり禁制帯中に存在すること、価電子帯スピン分裂はわずかであること、共鳴トンネル効果によって磁気抵抗が大きく増大することなどを示した。また、F_FのMn濃度依存性を明かにした (3),IV族ベース磁性半導体として有望なMnドープGe薄膜の成長を行い、その構造と磁性を詳細に評価した。Ge(001)基板上に成長した薄膜については、高濃度のMnを含むナノカラム構造が形成されること、ナノカラム構造の強磁性転移温度などの磁気的な性質を制御できること、巨大な正の磁気抵抗効果を示すことを明らかにした。 (4)GaAs:MnAsナノ微粒子含むヘテロ構造を作製し、強磁性微粒子系で初めてトンネル異方性磁気抵抗効果を観測、不均一系に現れるスピン依存伝導特性を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、III-V族磁性半導体、磁性金属エピタキシャル成長用MBE装置を設計、製作し、順調に立ち上げを行ったこと、さらにデバイスの構成要素となるIII-V族およびIV族ベースの磁性半導体、半導体と整合性の良い強磁性金属とそのヘテロ構造のエピタキシャル成長による形成、評価、物性制御の研究で成果を挙げた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、新しく立ち上げたIII-V族磁性半導体、磁性金属エピタキシャル成長用MBE装置を用いて成長の条件出しと最適化を行い、これまでよりさらに良質の試料を作製する。III-V族およびIV族ベースの磁性半導体、半導体と整合性の良い強磁性金属とそのヘテロ構造のエピタキシャル成長による形成、評価、物性制御の研究でそれぞれ成果を挙げたので、それらをさらに深化させ、デバイス機能の発現と実証につなげる。特にn型強磁性半導体の開発に取り組む。計画を遂行する上での問題点は特に見あたらない。
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Research Products
(66 results)
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[Presentation] 軟X線共鳴非弾性X線散乱による強磁性半導体Ga1-xMnxAsにおける電子構造解析2012
Author(s)
小林正起, 丹羽秀治, 原田慈久, 尾嶋正治, 竹田幸治, 藤森淳, 田中新, 仙波泰徳, 大橋治彦, 大矢忍, 田中雅明
Organizer
日本物理学会第67回年次大会
Place of Presentation
関西学院大学
Year and Date
20120324-20120327
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[Presentation] Spintronics : Materials and Devices2012
Author(s)
Masaaki Tanaka, Pham Nam Hai, Le Duc Anh, Shyam Mohan, Tsuyoshi Tamegai
Organizer
International Symposium on Secure-Life Electronics
Place of Presentation
Takeda Hall, University of Tokyo
Year and Date
20120117-20120118
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