2014 Fiscal Year Annual Research Report
種特異的性行動を規定するfru遺伝子とfru神経回路の解明
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23220007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山元 大輔 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (50318812)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 賢一 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (80214873)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳・神経 / 発生・分化 / 遺伝学 / 遺伝子 / 細胞・組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、雄の求愛行動神経回路の構築にあたってマスターレギュレーターとして働くfruitless遺伝子に着目し、行動の種差を生み出す遺伝子機構の解明を目的としている。具体的には、モデル動物であるDrosophila melanogasterを対象として、固有の行動レパートリーを有する非モデル種、D. subobscuraの求愛制御にどのような変化が生じているかを明らかにすることを目指す。これまでに、subobscuraからmelanogasterに移入したfruitless制御配列が、melanogasterの内在性Fruitlessを持たないニューロンにも遺伝子発現を誘導しうること、及びsubobscura由来の制御配列支配下にニューロンの強制活性化を行うと、subobscura固有の求愛パターンに類似した行動が惹起されることを示した。しかしこれらの結果は、subobscura由来のfruitless制御配列を、nativeなfruitless座とは無関係なゲノム部位(Attp2部位)に挿入して得られたものであり、melanogasterの内在性fruitless発現の効果と比較することは十分に合理的とは言えない。そこで今年度は、subobscura由来の制御配列の相同部分をmelanogasterゲノムから得て、これをAttp2部位に挿入することとした。すでに、melanogaster由来の制御領域にGal4を接続したmini-geneの作成に成功している。これとは別に、subobscura個体を用いて、その内在性fruitless遺伝子を操作し、ニューロン回路と行動の特性に対するその効果を解析することが望まれる。その実現に向け、CRISPR/Cas9システムを用いてsubobscuraのゲノム編集を開始し、fruitless遺伝子中に欠失変異を導入することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
subobscuraの求愛神経回路をmelanogasterに移入し、subobscura型の行動をmelanogasterに惹起する実験は既に一定の成果を上げており、さらにsubobscuraそのものを用いてfruitless遺伝子機能の解析を行うことにも目処がたっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
melanogasterのfruitless制御領域にGal4を接続したミニジーンは、melanogasterゲノムのAttp2部位に挿入し、Gal4発現の生ずるニューロンを同定する。続いて、subobscura相同配列によって発現の生じるニューロンと比較する。さらにそれぞれの制御領域を使ってニューロンの強制活性化を行い、種特異的行動が惹起されるか否かを調べる。種特異的行動が惹起された場合は、MARCM解析によって関与するニューロンの絞り込みを行い、種特異性を規定する細胞を特定する。一方でsubobscuraのfruitless変異体の表現型解析を行い、遺伝子導入によるその救済を試みる。その上で、subobscuraでのニューロンの標識を目指し、神経回路の種差と行動の種差の対応を探る。
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Remarks |
岩波書店編集部(編), 山元大輔. 広辞苑を3倍楽しむ. 岩波書店. 山元大輔. 目覚めよ、パパの本能!「産後夫婦のセックスレスは誰のせい?」. AERA with Baby No. 38, p. 124-125, 2014.10.15発行、朝日新聞出版 山元大輔. 双子の遺伝子「エピジェネティクスが2人の運命を分ける」』書評,公明新聞、2014.10.27発行、4面読書欄. 山元大輔.
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Research Products
(47 results)
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[Journal Article] The Drosophila Lingerer protein cooperates with Orb2 in long-term memory formation.2014
Author(s)
Kimura, S., Sakakibara, Y., Sato, K., Ote, M., Ito, H., Koganezawa, M., and Yamamoto, D.
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Journal Title
J. Neurogenet.
Volume: 29
Pages: 8-17
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] A fruitless upstream region that defines the species specificity in the male-specific muscle patterning in Drosophila.2014
Author(s)
Takayanagi, S., Toba, G., Lukacsovich, T., Ote, M., Sato, K., and Yamamoto, D.
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Journal Title
J. Neurogenet.
Volume: 29
Pages: 23-29
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] Sex-specific functions of longitudinals lacking.2014
Author(s)
Sato, K., Toba, G., Ito, H., Koganezawa, M., Binglong, Z., and Yamamoto, D.
Organizer
The 2nd Taiwan-Tohoku University Neuroscience Workshop for Young Scientists
Place of Presentation
宮城蔵王ロイヤルホテル, 宮城県
Year and Date
2014-12-07 – 2014-12-11
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[Presentation] Btkはニッチで生殖細胞の増殖を停止させる.2014
Author(s)
Hamada-Kawaguchi, N., Nore, F. B., Smith, C. I. E., and Yamamoto, D.
Organizer
日本動物学会 第85回大会
Place of Presentation
東北大学川内北キャンパス, 仙台, 宮城県
Year and Date
2014-09-11 – 2014-09-13
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