2011 Fiscal Year Annual Research Report
比較可能性がとれた海水中栄養塩濃度の全球分布及び総量に関する研究
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23221003
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Research Institution | Japan, Meteorological Research Institute |
Principal Investigator |
青山 道夫 気象庁気象研究所, 地球化学研究部, 主任研究官 (80343896)
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Keywords | 化学海洋 / 環境計測 / 地球温暖化 / 栄養塩 / 比較可能性 / データセット |
Research Abstract |
太平洋2航海(P10およびP13)および大西洋1航海(A22)においてすべての測点で栄養塩標準を用い、比較可能性が確保された栄養塩濃度測定を行い、比較可能性が確保された栄養塩濃度測定をおこなった航海が存在しない西部北大西洋の空白域を減らすとともに、交点での補正の不確かさを減少させるデータを得た。過去データについて、WOCEおよびCLIVARの全航海、およびWGHCのデータをすべてデータベース化した。また、OSD09データセットと上記データの重複チェックを行い、データベースに追加する準備を行った。全海洋から234箇所を交点として選択し、それぞれから半径250km以内で、2000m深までデータがある測点を選び出し、過去データを栄養塩標準を使用したCLIVAR計画での10航海(P01,P03,P06,P09,P10,P14,P21,A10,I03,I04)および本課題により新たに行なう航海との交点から評価し補正するための準備作業を完了した。一部の交点については、個別に比較可能性がどのように向上したかについて、解析作業を行い、全球栄養塩データセットの作成技術を確認するため、既存のデータセットWOA05,WOA09およびWGHCの詳細を解析した。その結果、栄養塩標準を用い、比較可能性が確保された栄養塩濃度測定を行った複数の航海間の差は、分析の不確かさである0.2-0.4%程度の範囲の中にあることを確認した。このことにより、本研究が目的とする3%程度の不確かさを持つ全球栄養塩データセットの作成が現実に可能であることを再確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定したすべての観測航海を行うとともに、過去データの収集と整理を終えた。栄養塩標準を使用した航海と過去の航海との交点で評価を行い補正する段階に到達した。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い、全海洋で比較可能性が確保された栄養塩データセットの作成を継続する。また、昨年度末から今年度にかけて行っている北大西洋航海の結果を速やかに組み込むことにより、比較可能性が低かった北大西洋での不確かさの向上を図る。
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Research Products
(5 results)