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2011 Fiscal Year Annual Research Report

RNAとタンパク質の相互作用を用いたヒト細胞運命制御システムの構築

Research Project

Project/Area Number 23221011
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (S)

Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

井上 丹  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40114855)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 齊藤 博英  京都大学, 白眉センター, 准教授 (20423014)
Keywordsシンセティックバイオロジー
Research Abstract

ヒト細胞内の遺伝子発現ネットワークを自在に変換・改変するための手法として、shRNAとRNP 相互作用モチーフを利用した蛋白質-蛋白質シグナル変換システム(蛋白質応答型 shRNAスイッチ)を構築。遺伝子発現制御を通した細胞内シグナル制御、および細胞運命制御が可能であることを示すため、このshRNA スイッチの標的遺伝子をアポトーシス制御遺伝子に改変することで、細胞内のアポトーシスシグナルに接続し、特定蛋白質の発現に応答した細胞死制御が可能であることを示した。また、以前の研究で構築された mRNA スイッチと上記で構築された shRNA スイッチを組み合わせることで、一種類の蛋白質の入力に応答して、2種類の異なる mRNA からの翻訳を同時かつ独立に ON/OFF 制御できることを示した。
これまでに開発した、ヒト細胞内でのRNA結合蛋白質を用いる翻訳制御の方法の手法をさらに進化させるため、フィードバック制御法の導入を行うことに成功。この制御法を導入することで、ヒト細胞内での蛋白質の発現量を厳密に決定することが可能となった。制御法は、RNAへの結合能力が異なる蛋白質の誘導体を用いて、目的の蛋白質の発現量を定量的に制御することができる。数理解析モデルを用いることにより制御はRNA・蛋白質間の相互作用に連動していることを確認した。
天然の RNA-蛋白質複合体(RNP)を改変し、信号伝達経路の制御などに使える新しいRNPモジュール(独立した機能構造単位) を作成することに成功。このモジュールがヒト細胞内で実際に使用可能であるかどうかを検証するために、既に開発されている翻訳制御システムにこれを組み込み、新しいクラスの翻訳制御スイッチを開発した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

全体として順調に研究は進展している。しかし、細胞内マーカータンパク質に特異的に結合するアプタマーなどによる翻訳制御の試みにおいて既存のアプタマーと対応する結合蛋白質を用いる当初の予定は成功していないためシステムの改良が必要である、また、細胞表面レセプターからの信号伝達の制御法開発は,その基礎実験は順調に進展しているが、RNPの精製やより確実な手法による信号伝達系の確立により、最終目標に向けて高度な信号伝達制御を可能にしたい。

Strategy for Future Research Activity

上記、問題点とその解決方法でも明記したように、細胞内マーカータンパク質に特異的に結合するアプタマーなどによる翻訳制御研究においては、がん細胞内で発現するタンハク質に応答して、細胞運命を決定できるシステムを構築することを試みて来た。そのために、既知のヒト細胞内タンパク質に特異的に結合するアプタマーを用いる翻訳制御のシステムをさまざまな既存のアプタマーなどを用いてシステマティックに細胞内に構築しようとして来た。しかし、現時点では、強い効果が見られるシステムが得られず、そのため構築した系の評価が困難である。
そのため、今後は、細胞内で弱い信号の増幅をおこなう装置の開発をおこなう。また、新しいアプタマーの取得など、上記研究の基盤技術を強化する必要があるため、予定のものよりもステップダウンし簡素化をしたモデルを構築して問題点の解決をはかり、その後、改めて当初の目標を達成したい。
また、確実にレセプターからの信号伝達の制御を行うために、レセプターのN末端またはC末端にRNA結合蛋白質を結合させて融合タンパク質を作成する。これらと蛋白質結合ドメインをもつ三角形RNAに代表される複数の蛋白質に結合するようにデザインしたRNAを確実に結合させることにより、レセプターからの信号を細胞内に送り込む、(またはプロックする)。この方法についてさらに検討を加える。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Directed evolution of a synthetic RNA-protein module to create a new translational switch2013

    • Author(s)
      Tomoaki Hara, Hirohide Saito and Tan Inoue
    • Journal Title

      Chem. Commun.

      Volume: Epub

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Three-dimensionally designed protein-responsive RNA devices for cell signaling regulation2012

    • Author(s)
      Shunnichi Kashida, Tan Inoue and Hirohide Saito
    • Journal Title

      Nucleic Acids Res.

      Volume: 40 Pages: 9369-9378

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Self-replication reactions dependent on tertiary interaction motifs in an RNA ligase ribozyme.2012

    • Author(s)
      Ohmori R, Saito H, Ikawa Y, Fujita Y, Inoue T.
    • Journal Title

      J. Mol. Evol.

      Volume: 73 Pages: 221-229

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Feedback Control of Protein Expression in Mammalian Cells by Tunable Synthetic Translational Inhibition2012

    • Author(s)
      James A. Stapleton, Kei Endo, Yoshihiko Fujita, Karin Hayashi, Masahiro Takinoue, Hirohide Saito, and Tan Inoue
    • Journal Title

      ACS Synthetic Biology

      Volume: 1 Pages: 83-88

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 三次元分子デザイン:蛋白質に応答する人工RNAデバイスの構築

    • Author(s)
      斉藤博英
    • Organizer
      分子ロボティックス研究会6月定例会
    • Place of Presentation
      京都大学 吉田キャンパス

URL: 

Published: 2014-07-24  

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