2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23222002
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
池田 栄史 琉球大学, 法文学部, 教授 (40150627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楮原 京子 山口大学, 教育学部, 講師 (10510232)
後藤 雅彦 琉球大学, 法文学部, 准教授 (30291553)
柳田 明進 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 研究員 (30733795)
佐伯 弘次 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 教授 (70167419)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 鷹島海底遺跡 / 蒙古襲来(元寇) / 水中考古学 / 元寇沈没船調査 / 鷹島1・2号沈没船 / 海底環境モニタリング調査 / 海底木材劣化モニタリング / 水中文化遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は採択期間最終年度であったが、前年度に検出した沈没船確認が完了していなかったため、平成27年6月に追加確認調査を実施した。沈没船は水深約15mの海底面下約1mに位置し、ほぼ南北方向に残存する。南側が船首、北側が船尾と想定される。現存する南北長約12m、東西最大幅約3mであり、船体を区切る隔壁部分が9カ所確認できる。隔壁と隔壁の間の奥行長にはそれぞれ違いがあり、最南側では85cm、中央部分では150cm、最北側では70cmを測り、その内の3区画にはバラストと推測される石材が散在している。石材に混じって天目碗を検出した他、周辺から完形の白磁碗、褐釉陶器壷、中国産陶磁器片が出土したこと、また隔壁を持つ船体構造であることなどを踏まえて、蒙古襲来の際の沈没船と判断し、鷹島2号沈没船とした。 鷹島2号沈没船については、実測図を作成するとともに、三次元映像の撮影を行った後、船体上に砂嚢袋を50cm以上敷き詰め、その上にシリコン樹脂を塗布したナイロン製シートを被せ、さらに砂嚢袋の重石をして埋め戻し、現地での保全を図った。また、沈没船の傍らに塩ビ管に鉄板、銅板、木板を取り付けた劣化モニタリング調査キットを埋設した。なお、前年度に設置していた海底環境調査機器の記憶装置更新については、10月17~19日に実施し、この際に新たに作成した海底堆積深度による木材劣化状況モニタリング調査キットを埋設した。 これらの作業終了後、本科研費の最終報告書の作成に着手し、平成28年3月末にこれを刊行した。 また、最終報告書の作成と並行して、琉球大学が主催し、東京国立博物館と九州国立博物館、松浦市および松浦市教育委員会を共催とする「科学研究費調査研究報告講演会」の準備を進め、これを平成28年2月6日と14日に東京国立博物館と九州国立博物館で開催した。前者では約220名、後者では約260名の参加者があった。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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