2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23222003
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
關 雄二 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (50163093)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 穣 東京大学, 総合研究博物館, 教授 (30280712)
坂井 正人 山形大学, 人文学部, 教授 (50292397)
鵜澤 和宏 東亜大学, 人間科学部, 教授 (60341252)
井口 欣也 埼玉大学, 人文社会科学研究科(系), 教授 (90283027)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 考古学 / 文化人類学 / 文明 / 複合社会 / 権力 |
Outline of Annual Research Achievements |
アンデス文明における権力の変容をさぐるため、文明初期にあたる形成期(前3000年~紀元前後)の祭祀遺跡パコパンパ(ペルー北高地)を約3ヶ月にわたって調査し、遺構、出土遺物の分析を行った。特筆すべきは北基壇上の半地下式パティオに面した西側において、精巧なつくりの鐙形土器と金製首飾りを副葬した墓を検出した点である。一昨年パティオにおいて発見された饗宴儀礼と関係した埋葬であることが層位的に確認された。また墓の構造は2009年に発見された貴人墓と類似しているが、2009年の墓が神殿の建設途上に設けられた墓であることを考えると本年度の墓は、まぎれもなく神殿が機能していた時代の指導者の墓である点で、権力の存在を示す一線級のデータといえる。さらに複雑なつくりの金製品は、90キロほど南に位置する同時代の遺跡クントゥル・ワシで出土したものときわめて類似しており、エリート間の交流の存在が示唆される。 また考古学資料のGISデータベースが完成し、土器の3次元画像データベースとともに、科研費プロジェクトのウェブサイトで公開を開始した。さらにクントゥル・ワシ遺跡をはじめ、ヘケテペケ谷中流域、中央海岸北部のネペーニャ谷下流域でも調査と遺物分析を展開し、文明初期の多様な社会状況の把握に努めた。 最終年度の研究とりまとめとして、まず2015年7月中旬には、イェール大学、パルセロナ自治大学との共催で、文明形成における公共建造物の意味を探るシンポジウムを国際アメリカニスト会議(エル・サルバドル)の場で組織した。また2015年8月にペルーでも、これまでの日本調査団の成果を問う国際シンポジウム、そして2016年1月には、日本において本研究プロジェクトに関わった研究者全員による公開シンポジウムを2日間にわたって開催した。これらは順次欧文、和文で出版する予定である。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(53 results)