2015 Fiscal Year Annual Research Report
1keV領域での高次高調波発生とアト秒軟X線分光への展開
Project/Area Number |
23226003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
板谷 治郎 東京大学, 物性研究所, 准教授 (50321724)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 応用光学・量子光学 / 量子エレクトロニクス / X線 / アト秒光学 / 光物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高強度赤外光パラメトリックチャープパルス増幅光源の高出力化を行い、1.5mJのパルスエネルギーを得た。これによって、軟X線領域の高次高調波(光子エネルギー200~320eV付近)において約35倍のフォトンフラックス増大を観測した。炭素を含む薄膜サンプルの吸収分光を行い、約100秒の積算で炭素のσ結合およびπ結合に起因する吸収ピークを同定することが出来た。これにより、本研究で開発されたアト秒軟X線光源を用いて、超高速軟X線吸収分光が可能であることが示された。また、極紫外域においてアト秒ストリーク実験を行った結果、光子エネルギー100eV付近において時間幅263asのアト秒パルスが発生していることが示された。レーザー高調波の物性応用に関しては、物性研究者との協力の下で、グラフェンおよび鉄系超伝導の母物質等に対するフェムト秒角度分解光電子分光を実施し、多くの知見を得た。 レーザー光源開発に関しては、赤外二波長を同時増幅する手法を実証し、その出力の差周波をとることによって位相安定な高強度中赤外パルス(波長8μm)の発生に成功した。可視域の極短パルスをプローブ光とした電気光学サンプリングによって中赤外パルスの電場波形の直接観測を実現した。中赤外パルスの時間幅70fsであり、集光点での電場振幅は56MV/cmに達した。本光源を用いた実験によって、中赤外から可視までをカバーした固体での高次高調波発生など、強電場で駆動された電子系の新奇な非線形光学応答を観測した。また、高繰り返し動作可能なOPA光源を開発し、繰り返し20kHzでパルス幅9fsの位相安定な極短赤外パルスの発生とレーザー誘起光電子散乱の観測に成功した。 高強度赤外極短パルスの利用研究に関しては、前年度に引き続いてレーザー誘起光電子散乱の実験を進めた結果、光電場の位相をパラメーターとした微分散乱断面積の新しい測定手法を確立した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(32 results)
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[Journal Article] Nonequilibrium electronic and phonon dynamics of CuM0.17Bi2Se3 investigated by core-level and valence-band time-resolved photoemission spectroscopy2015
Author(s)
T. Yamamoto, Y. Ishida, R. Yoshida, M. Okawa, K. Okazaki, T. Kanai, A. Kikkawa, Y. Taguchi, T. Kiss, K. Ishizaka, N. Ishii, J. Itatani, S. Watanabe, Y. Tokura, T. Saitoh, and S. Shin,
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Journal Title
Phys. Rev. B (Rapid Communication)
Volume: 92
Pages: 121106(R)-1-6
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] SiC(000-1)面成長グラフェンにおける超高速キャリアダイナミクス2016
Author(s)
染谷隆史, 吹留博一, 渡邊浩, 山本貴士, 岡田大, 鈴木博人, 飯盛拓嗣, 石井順久, 金井輝人, 田島圭佑, Baojie Feng, 山本達, 板谷治郎, 小森文夫, 岡崎浩三, 辛埴, 松田巌
Organizer
日本物理学会第71回年次大会
Place of Presentation
東北学院大学泉キャンパス(宮城県仙台市)
Year and Date
2016-03-19 – 2016-03-22
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[Presentation] フェムト秒域時間分解光電子分光法と三温度モデル解析によるグラフェンの超高速キャリアダイナミクスの研究2015
Author(s)
染谷隆史, 吹留博一, 渡邊 浩, 山本貴士, 岡田 大, 鈴木博人, 飯盛拓嗣, 石井順久, 金井輝人, 田島圭佑, Bao jie Feng, 山本 達, 板谷治郎, 小森文夫, 岡崎浩三, 辛 埴, 松田 巌
Organizer
第26回光物性研究会
Place of Presentation
神戸大学百年記念会館(兵庫県神戸市)
Year and Date
2015-12-11 – 2015-12-12
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[Presentation] Study of Carrier Dynamcis in Graphene with Femtosecond Time-resolved Photoemission Spectroscopy and Three-Temperature Model Analysis2015
Author(s)
T. Someya, H. Fukidome, H. Watanabe, T. Yamamoto, M. Okadad, H. Suzuki, T. Iimori, N. Ishii, T. Kanai, K. Tashima, B. Feng, S. Yamamoto, J. Itatani, F. Komori, K. Okazaki, S. Shin, and I. Matsuda
Organizer
表面・界面スペクトロスコピー2015
Place of Presentation
国立女性教育会館(埼玉県比企郡)
Year and Date
2015-11-27 – 2015-11-28
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[Presentation] 鉄系超伝導体母物質 BaFe2As2の極紫外時間分解角度分解光電子分光2015
Author(s)
鈴木博人, 岡崎浩三, 山本貴士, 染谷隆史, 岡田大, 藤澤正美, 金井輝人, 石井順久, 中島正道, 永崎洋, 板谷治郎, 藤森淳, 辛埴
Organizer
日本物理学会2015年秋季大会
Place of Presentation
関西大学千里山キャンパス(大阪府吹田市)
Year and Date
2015-09-16 – 2015-09-19
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