2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23226013
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
陣内 秀信 法政大学, デザイン工学部, 教授 (40134481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 毅 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20168355)
出口 清孝 法政大学, デザイン工学部, 教授 (30172117)
石神 隆 法政大学, 人間環境学部, 教授 (30297999)
宮下 清栄 法政大学, デザイン工学部, 教授 (40139382)
高村 雅彦 法政大学, デザイン工学部, 教授 (80343614)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2016-03-31
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Keywords | 水都 / 歴史 / 環境 / 類型 / 政策 / 文化的景観 / 都市再生 / 比較 |
Research Abstract |
国内外の水都に関する現地調査を実施した。陣内は、8月に南イタリアを対象に、アマルフィ海岸の港町群の形成を後背地との関連で調べ、海と陸の密接な関係を解明する一方、プーリア州の海に囲われたバリ旧市街の形成変容過程と再生の実態を調査した。2013年3月、陣内、石神を中心に5名で、現地研究者の協力の下、フランスのストラスブルグ、ドイツのハンブルグ、リューベック、ブレーメンという内陸河川沿いの港町の現地視察と文献収集を行い、中世・近世・近代と港湾機能を更新し水辺を再生してきた過程を歴史的に解明した。出口は、8月に地理学者を加えフランス北西部の河川、海岸の主要な港町に関し、地理的、気候的観点を重視した観察調査を行い、干満の差の大小が都市構造に与える影響を明らかにした。伊藤は、2度に渡りイタリア・ヴェネト州における山岳、谷合い、平野の都市を水との関係で比較調査し、地籍図、文献史料も使って成立基盤の解析を行った。高村は、中国上海・蘇州、タイバンコク、インドバラーナシの現地調査を実施し、アジアの水都に関して、実測調査と聞き取り、古地図や古文書の収集しながら、歴史的かつ空間的特性を明らかにする研究を行った。 一方、日本国内では、東京を重点的に研究し、江東墨田地域の水の空間、外濠を中心とする都心の水の空間、日野市をはじめとする武蔵野、多摩地域の水の空間の特質を歴史的な視点から解明し、水の都市東京の全体像の把握を深めた。東北大震災の津波で被災した三陸の港町・漁師町に関し、地形と歴史の両面からその空間の形成史を明らかにし、被災状況との相関関係を考察した。 国際的な研究交流として、陣内は米国のAmherst大学での「川の景観再生」シンポジウム、イタリア・アマルフィでの「地中海と瀬戸内海の海洋文明比較」の会議、ミラノでの「運河再生」の国際シンポジウムで講演し、多くの外国人研究者との交流を深めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の諸地域の現地調査を推進するという研究計画から見ると、欧米に関しては海沿いのイタリア、フランス、内陸河川沿いのフランス、ドイツの重要なエリアを詳しく調査し、同時に、北米のコネチカット川沿いの水都の現地視察を行う一方、アジアについては、中国の上海・蘇州、タイのバンコク、インドのバラーナシという水都の視点から極めて重要な対象を本格的に調査できた。日本では、最重点対象である東京の東部、中央部、西部をほぼ予定通り研究でき、分析も進んでいる。 国際交流としては、昨年度に予定していた中国人らの専門家を招いてのアジアの水都に関する国際シンポジウムは、政治的事情により本年度に持ち越さざるを得なかった。しかし、各国での現地調査を通じて海外研究者との交流が深まるとともに、陣内は国際シンポジウムに海外3回、国内1回(研究分担者の伊藤が主催)招かれ、国際的な研究ネットワークを強化できた。 水都に関する研究成果の公表の場として、法政大学出版局よりシリーズ『水都学』が企画され、3月末にすでに第1巻が刊行された。今年12月頃、第2巻としてアジア特集が出る予定である。東京の研究については、その成果が単行本として7月頃、刊行の予定である(『「水の都市」東京』(仮)講談社)。
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Strategy for Future Research Activity |
国外では、これまで手がけてきたイタリア、フランス、ドイツ、イギリス、オランダ等の諸都市の調査データを整理分析する一方、ベルギー、北欧、東欧、米国、カナダ、オーストラリア等の国々、アジアの中国、タイ、インド以外の国々へさらに研究対象を広げ、比較研究の枠組みをより精緻に組み立てることにつとめる。こうした国際比較によって、日本の水都の特徴への理解が深まりつつあり、水都学の研究方法の確立をめざしながら、世界の水都の共通性と違いを深く認識していきたい。 24年度は、政治社会事情のため、中国との学術交流が事実上難しくなり、予定していたアジアの水都に関する国際シンポジウムが実施できなかったので、25年度には是非ともそれを実現したい。
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Research Products
(30 results)
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[Presentation] Introduction
Author(s)
Takeshi ITO
Organizer
Territory and Urban Settlement along Water Comparative Studies on Friesland and Other Areas in History, International Round-table
Place of Presentation
ORANGE HALL LEEUWARDEN(Netherlands)
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