2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23226015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 一成 九州大学, 大学院・工学研究院, 主幹教授 (80322296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 衡平 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10283491)
北原 辰巳 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50234266)
谷口 俊輔 九州大学, 水素エネルギー国際研究センター, 特任准教授 (60590065)
白鳥 祐介 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00420597)
中島 裕典 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70432862)
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Keywords | 燃料電池 / 電極触媒 / 電気化学 / 酸素還元 / SnO2 / 導電性酸化物 / 耐久性 / Pt |
Research Abstract |
自動車用などの燃料電池本格普及のための太きな課題が、電極触媒担体として広く用いられているカーボン担体の酸化腐食である。世界に先駆けて(燃料電池自動車の寿命に相当する)6万回の高電位サイクル耐性を実証した当研究室オリジナルの導電性酸化物担持電極触媒を出発材料として、耐久性と電子物性、界面物性などを制御した実用レベルの電極触媒を開発・実証し、関連する学問体系を構築する本研究において、平成23年度は、当初の予定どおり、出発材料(Pt/SnO2系)の電気化学性能評価と実セル開発に注力した。 具体的には、熱力学平衡計算による最安定相と準安定相の算出によって、燃料電池環境下での材料安定性を計算で明らかにするとともに、高電位サイクル後の溶出イオン濃度をICPで測定し、実作動条件模擬耐久試験後の溶出イオン濃度の定量化に成功した。また、SnO.98NbO.0202などの現時点で最も優れた性能と耐久性を示す担体材料を出発材料に、各種電気化学活性を測定し、触媒単体での酸素還元活性の6万サイクル耐久性を実証することができた。電池セルでの6万サイクル耐久性も実証した。さらに、現有材料(Pt/ドープSnO2など)の電極触媒層の作製条件-微構造-性能の相関を調べ、電極触媒層の緻密化が性能低下の原因であることを明らかにし、凍結乾燥法などを新たに適応することで、電池セルにおける触媒白金の有効利用率を大幅に向上させることができた。並行して、関連する基盤要素研究も精力的に進め、親水性撥水性制御、低加湿作動時の性能、システム評価手法などに関する成果を上げた。これらの研究成果を、投稿論文6報、学会発表26件などで積極的に発表することで、成果の普及にも努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
酸化物担体を用いた電池セルでの6万サイクル耐久性を、燃料電池自動車の実証研究経験から得られた評価プロトコルを用いて世界で初めて実証でき、今後の実用化に向けた学会等で高く評価されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、電池の更なる高性能化に向けて、触媒材料や電池セルの作製法を根本から見直して、耐久性と高性能を両立できる電極触媒材料の開発に精力的に取り組んでいきたいと考えている。また、本研究代表者が中心となって平成24年1月に設置された「次世代燃料電池産学連携研究センター」に導入される最先端の顕微観察システムなども活用して、微細構造観察・制御にも注力したいと考えている。
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Research Products
(34 results)