2014 Fiscal Year Annual Research Report
磁気微粒子合成オルガネラの再構築による有用物質生産磁性細菌の創製
Project/Area Number |
23226016
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 学長 (10134834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新垣 篤史 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10367154)
吉野 知子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30409750)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 応用微生物 / ゲノム / 組織・細胞 / 生体機能利用 / バイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性細菌は、マグネトソームと呼ばれる細胞内オルガネラの中で、単結晶の酸化鉄から成る磁気微粒子を合成する細菌である。これまでの研究において、磁性細菌Magnetospirillum magneticum AMB-1株を用いて多様な遺伝子欠損株を構築し、マグネトソーム形成に関与するそれぞれのタンパク質の機能を明らかにした。また、タンパク質の部分アミノ酸配列欠損により、in vivoにおける磁気微粒子合成に関わる機能部位の同定を行った。蛍光タンパク質タグをマグネトソーム合成関連タンパク質に融合発現させることでタンパク質の細胞内局在を明らかにし、培養条件によってタンパク質の局在箇所に違いがあることを明らかにした。また、磁性細菌株の改変においては、タンパク質発現誘導システムを導入した磁性細菌株を作製し、外部から化学誘導剤添加により、磁気微粒子のサイズや形態を制御する系を構築した。さらに、内在性プロテアーゼ遺伝子の欠損株を作製し、マグネトソーム上の外来タンパク質の発現量増大に成功した。マグネトソーム形成能欠損株において、プラスミドとしてマグネトソーム合成関連遺伝子群を導入することにより、マグネトソーム合成能が再構築できることを示した。光合成細菌においても同様の手法により、マグネトソーム合成関連遺伝子群の導入に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の前半では、マグネトソーム再構築のための基盤研究としてマグネトソーム合成関連タンパク質の機能・発現・局在解析を行い、合成機構に必須の因子を抽出することを計画した。後半では、マグネトソーム合成関連遺伝子の再編による有用物質生産微生物の創製と機能性材料の創製を目的として研究を進めている。これらの当初計画については順調に成果が得られており、いくつかのインパクトのある論文発表を行ってきた。現在さらに複数の投稿論文を準備中である。具体的には、マグネトソーム合成関連遺伝子群の再編成と遺伝子欠損株への導入によるマグネトソームの再構築に成功した。また、光合成細菌へのマグネトソーム合成関連遺伝子群の導入にも成功しており、現在はその微生物学的キャラクタリゼーションを進めている。さらに、これらの組換え株の創出の中では、当初予期しなかった興味深い結果が得られており、これらの詳細な解析も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、これまでの成果を論文発表すると共に、下記の研究項目を重点的に検討する。 -再編成したマグネトソーム合成関連遺伝子を導入した磁性細菌株のキャラクタリゼーション -マグネトソーム合成関連遺伝子を導入した光合成細菌による磁気微粒子生産能の評価
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