2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23227002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河村 悟 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (80138122)
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Keywords | 桿体視細胞 / 錐体視細胞 / 光感度 / 細胞内情報伝達 / レチノイド / トランスデューシン |
Research Abstract |
平成23年度は下記の成果を得た。 1.コイ桿体と錐体とで光照射後のGTPγSの結合を指標に光強度とトランスデューシンの活性化量の関係を求めた。その結果、錐体では単位光量あたりのトランスデューシンの活性化効率が桿体よりも低いことがわかった。 2.桿体と錐体とでGTPγSを結合した既知量の活性化されたトランスデューシンによって、どれだけのcGMPホスホジエステラーゼが活性化されるかを測定したところ、活性化されたトランスデューシンがcGMPホスホジエステラーゼを活性化する効率は桿体と錐体とで違いがないことが明らかになった。 3.桿体と錐体とでGTPを結合した活性型トランスデューシンにおけるGTP加水分解量を測定した。その結果、錐体での方が加水分解が早く、このことから活性型トランスデューシンの寿命は錐体での方が短いことがわかった。 4.錐体での特異的11-シスレチナール生成反応であるAL-OL反応の基質特異性を検討した。その結果、反応におけるアルコールに対する特異性は極めて高く、しかしアルデヒドへの特異性は低いことがわかった。 5.コイ桿体と錐体について、ホールセルクランプモード下、電気的な光応答を測定することが可能になった。桿体と錐体について2-3例の応答を記録した。 6.桿体外節と錐体外節とでの発現蛋白質の違いを検討する目的で錐体外節の精製を試みた。80%程度精製した錐体外節を得ることができるようになった。 7.錐体に特異的に発現しているES1蛋白質の遺伝子に対するモルフォリノを設計し、ゼブラフィッシュ卵に注入したところ、4日齢の個体で網膜錐体層のミトコンドリアシグナルが大きく減弱することがわかった。 8.錐体特異的蛋白質であるNDRG1Lは、錐体内節部に局在することがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね研究計画に記載したスケジュールで研究が進行しており、かつ、成果も得られているので。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ予定通り進行していることもあり、当面は当初の予定に従って研究を推進する。
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