2012 Fiscal Year Annual Research Report
汎用自動チューニング機構を実現するためのソフトウェア基盤の研究
Project/Area Number |
23240005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須田 礼仁 東京大学, 情報理工学系研究科, 教授 (40251392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 周行 東京大学, 情報基盤センター, 准教授 (20225999)
山本 有作 神戸大学, システム情報学研究科, 教授 (20362288)
今村 俊幸 独立行政法人理化学研究所, 計算科学研究機構, チームリーダー (60361838)
鴨志田 良和 東京大学, 情報基盤センター, 特任助教 (10509805)
美添 一樹 東京工業大学, 情報理工学研究科, 研究員 (80449115)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自動チューニング / ハイパフォーマンスコンピューティング / 性能相関 / 行列計算 / 探索アルゴリズム / 自動チューニング記述言語 / ミドルウェア |
Research Abstract |
自動チューニングの実現には、プログラミング、システム、数理、アプリケーションの4領域の技術的確立が必要である。本課題はこの4領域の研究を推進し,自動チューニングのための汎用的なソフトウェア技術を総合的に研究開発することを目的とする。 数理分野では,自動チューニング数理ライブラリATMathCoreLibの機能拡張を行なった.また性能相関という概念を提唱し,変化点のある自動チューニング,密行列積,疎行列ソルバ等において数理モデル化と準最適実験計画の構築を行った.アプリケーション分野では,特異値分解アルゴリズムにATMathCoreLibを活用しブロックサイズを最適化した.また,特異値分解のGPU・CPU間負荷分散,大規模疎行列解法AMGソルバのアルゴリズムパラメタ,大規模並列探索ライブラリFuegoのアルゴリズムパラメタなどの自動チューニングの研究を行った.プログラミング分野では,自動チューニング記述言語 pp-OpenAT を拡張して上述のATMathCoreLib と接続した.また上記のAMGソルバにpp-OpenATを接合して自動チューニング機能を提供した.システム分野では,多様な計算機で高性能なコードを生成するために役立つ異機種用実行可能ファイルの実行の自動転送機構,擬似的動的プロセス生成ミドルウェアについて開発した. また,他研究費と共催で以下の活動を行った.2012年7月17日には神戸にて自動チューニングに関する国際ワークショップiWAPT2012 をVECPAR併設WSとして開催した.2012年12月25日には東京大学にて第4回自動チューニング技術の現状と応用に関するシンポジウムを実施し,研究成果を発表した.また2013年3月27~29日に,台湾大学にて自動チューニングに関する国際会議を開催し,日本,台湾,フランス,イタリア,米国の研究者が一堂に会して議論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プログラミング、システム、数理、アプリケーションの4領域のそれぞれで成果を挙げるとともに,早くから領域間をまたぐ研究成果も複数出ており,研究は順調に進捗してきた.プロジェクト内では全体ミーティング,マイクロワークショップを開催して連携を深め,個別研究者間での共同研究も進めている. また,国内の関連主要学会において複数の発表をして成果を発信するとともに,独自シンポジウムを開催して広く一般に成果を発信することを進めている.国際的にも,従来から行っている国際ワークショップ iWAPT に加えて,台湾大学との緊密な連携のもとに新たな国際会議の立ち上げにより,日台欧米を巻き込んだコミュニティ形成がなされ,自動チューニングの国際的連携研究の中心的グループとなっている.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる今年度は,4領域におけるこれまでの研究の完成度を高めて成果を発信するとともに,昨年度から始まっている領域間連携の取り組みを充実させる.国内向けには開発したソフトウェアに関するチュートリアルなどにより,成果の発信と社会への還元活動を強力に推進する.国際ワークショップiWAPTは国際連携によりスペインのバルセロナで開催する予定である.また引き続き台湾大学との研究協力を進める.システム領域メンバーのやむを得ぬ脱退があるが,昨年度開拓された国際的な研究協力の中でシステム領域の有力な研究者との協力を図る.
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