2011 Fiscal Year Annual Research Report
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23240017
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
舘 すすむ 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 特任教授 (50236535)
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Keywords | バーチャルリアリティ / テレイグジスタンス / 臨場感 |
Research Abstract |
平成23年度は,実施項目(1)「ロボットを用いた能動的身体性を有する臨場感検証プラットフォームの構築と自己投射性の検証」を実施した.すなわち,2年次以降の能動的身体性に基づく臨場感の検証実験を行うため2つのプラットフォームを試作し,これらが能動的身体性をもつことを実験により検証した. まず,腰部の自由度をもつ能動的ステレオカメラヘッドTORSO・人の腕部の運動を反映できるロボットアームから代理ロボットを構成し,これに頭部搭載型ディスプレイ(HMD)を統合することで,能動的身体を持つ臨場感検証プラットフォームを構築している.被験者は固定されたステレオカメラを自己投射対象として用い,HMDを装着した被験者とカメラとを同時に棒で突付くことによって,視覚情報と触覚情報の両面からカメラへの自己投射を促す.この自己投射性の検証実験の結果,被験者の腕の能動的な動きに起因すると思われる代理ロボットへの自己帰属・自己定位の向上が認められた. これに加えて,足に相当する移動機構・360度ステレオカメラ・人の腕と同等の自由度を持つロボットアームから構成される代理ロボットと,コックピットである全周囲立体映像提示装置TWISTERを統合した臨場感検証プラットフォームを構築している.検証実験の結果,コックピット内の被験者は代理ロボットに乗り込み歩きまわることで能動的な視覚情報が得られただけでなく,被験者の腕の能動的な運動を反映させたロボットアームは,ジェスチャ・握手・マニピュレーション能力などの身体性を有することが分かった. 以上により,平成24年度に実施する移動型代理ロボットの構築に必要な設計指針を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度実施項目(1)である「ロボットを用いた能動的身体性を有する臨場感検証プラットフォームの構築と自己投射性の検証」について,2つのプラットフォームを試作しており,また自己投射性の検証実験を進めているため.
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Strategy for Future Research Activity |
まず平成23年度実施項目(1)の自己投射性の検証実験を引き続き進める.次に実施項目(2)の「臨場感における能動性・身体性の主要パラメータの抽出と臨場感モデルの構築」に着手する.さらに臨場感検証プラットフォームを用いて,臨場感に対する能動性・身体性の寄与の定量的評価と,その主要なパラメータの抽出を行い,抽出したパラメータを用いて臨場感の数理的モデルを構築する.これを通して能動的身体性に基づく臨場感の機序を解明し,ロボットを介した能動的身体性を有する高臨場感の遠隔コミュニケーション/遠隔作業の設計手法を確立してゆく.
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Research Products
(4 results)