2012 Fiscal Year Annual Research Report
視聴覚を利用した見まね学習によるアクティブな動的動作生成に関する研究
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23240026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 克史 東京大学, 大学院情報学環, 教授 (30282601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 慎一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (60443206)
工藤 俊亮 電気通信大学, 大学院情報 システム学研究科, 准教授 (90582338)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス |
Research Abstract |
舞踊構造の抽出を汎用的に行うために階層的記述を提案し[1]を発表した.[1]Uno,Sato,Kudoh,Ikeuchi,"武道におけるアクロバティックな全身動作の階層的記述と認識",日本ロボット学会第30回記念学術講演会(RSJ2012). 舞踊動作をロボットに実現させる際,ハードウェア上の制約により,期待どおりの姿勢をとることができず,結果として人間の動作を十分に模倣しているとはいえないというケースがしばしば起こりうることが判明した.その問題に対処するため,外部補助力によりロボットに不足する力を補うための力学モデルを構築し[2],また,ロボットが自らの姿勢を自動的に補正するための手法の開発を行った[3].[2]松田, 冨沢, 工藤, 末廣, "ワイヤ補助による小型ヒューマノイドの跳躍模倣"第13回計測自動制御学会SI部門講演会(SI2012), pp. 2783-2788.[3]林, 冨沢, 末廣, 工藤, "ヒューマノイドロボットの鏡を用いた自己姿勢補正"SI2012, pp. 2775-2779. ロボットの動作軌道生成に関して、元の動作軌道が身体部位間の近接を含んでいる場合に、ロボットで干渉を生じてしまう問題があることが分かり、これを解決する基本アルゴリズムの開発を行い、文献 [5]として発表した。舞踊は一般的に身体同士が近接する動作を頻繁に含むものなので、本手法は研究課題を解決するにあたって欠かせない.[5]Nakaoka,Komura, "Interaction Mesh Based Motion Adaptation for Biped Humanoid Robots", Proc. of the 12th IEEE-RAS International Conference on Humanoid Robots, pp.625-631, 2012.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
音楽に合わせた動作を,動作全体の計画という観点から生成するという目標に対して,今年度の成果は,当初の計画に比べ動作生成に重点を置いたものといえる.これは,研究を遂行する上で明らかになった動作生成上の諸問題を解決する必要があったためで,適切な動作生成手法を確立しておくことは,音楽に動作を合わせるための手法を構築する上で欠くことのできないものである. 平成24年度に取り組んだ課題にみられるように、ロボットの動作軌道生成に関しては、見まね学習のための基礎となる部分でまだまだ課題があることが分かり、しばらくはそれらを解決する取り組みを進めていく必要がある。この点でロボット動作軌道生成の「アクティブ」な要素については当初の年度計画通りに進んでいない面もあるが、基礎的な要素に対しては重要な成果も得られてきているので、両要素を踏まえて今後も進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
(舞踊構造の抽出)前年度は,従来のキーポーズに基づく動作認識のモデルに階層性を導入したモデルを提案した.今年度は,まずこのモデルを使用することにより,実際に従来に比べ広範な動作が認識可能であることを,実例への適用を通して明らかにする.また,盆踊りのように,大勢で舞踊を行う場合を想定して,複数の人間が近接して動作している場合に,どのように動作を認識すべきかについて検討する.また,複数の舞踊に対して提案する手法を適用し,有効性を検証する必要があることから,新たな舞踊について,モーションキャプチャを用いた舞踊動作のデータ取得も行う. (音楽に合わせた動作生成)前年度まで,音楽テンポのゆらぎを考慮し,キーポーズに基づく舞踊動作のタスクモデルとしての表現を,音楽テンポをパラメタとして時間伸縮できるように拡張するため,新たな動作認識モデルの開発を行ってきた.本年度は,これをさらに発展させ,任意の音楽テンポに対して適切にタスクモデルのパラメタを調整し,ロボットの動作を生成する手法の開発に注力する.特に,いくつも存在する可能な動作の中から,リアルタイムに適切な動作を生成するため,グラフ探索を利用した動作生成手法を構築することを目指す. (ロボットの動作軌道生成)平成24年度に開発した手法によって、人動作をロボットの幾何・運動学モデルに 適用する際の干渉回避は達成できたが、関節の速度制約や全身の動力学バランス を同時に考慮するまでは至っておらず、ロボット実機を動かすにはこれらの問題 を解決する必要がある。本年度はこの問題の解決に取り組み、身体部位間の近接 を含む人動作をHRP-4Cロボットの実機で再現できるようにする。この技術を基礎 として、平成26年度以降は見まね学習の「アクティブ」な要素をロボット動作生 成に活用する研究を進めていく。
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Research Products
(7 results)