2013 Fiscal Year Annual Research Report
視聴覚を利用した見まね学習によるアクティブな動的動作生成に関する研究
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23240026
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池内 克史 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (30282601)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中岡 慎一郎 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (60443206)
工藤 俊亮 電気通信大学, 情報システム学研究科, 准教授 (90582338)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知能ロボティクス |
Research Abstract |
これまでに開発した舞踊動作の時間伸縮手法を統合し,オンラインでヒューマノイドロボットの舞踊動作を生成するための改良を行っている.とくに,動作セグメントの接続手法を設計し実装した.これにより,ロボットが数秒の時間サイクルで速さを更新しながら舞踊動作を実行する事を可能にした. ロボットの動作計画および動作生成に関して,動作計画により生成された動作をロボットに入力するにあたり,機械的な要因により必ずしもロボットが指令値どおりの姿勢にならない場合があることが分かった.その問題に対し,ロボットが鏡に映った自分の姿勢を観察することにより自動的に補正する手法を開発した.この鏡を用いた手法は,三次元位置計測手法として見ても従来法に比べて精度の良い計測が可能という利点があることが分かったため,この部分を整理・発展させて新たな三次元位置計測手法として発表した. また,ロボットが自律的に周囲に合わせたインタラクティブな動作を生成する手法の研究として,周囲の人間の意図を推定してそれに合わせた動作を実行する枠組みの開発を行った.本年度は上半身動作のみに注目して,動作主の意図をベイズ推定の枠組みで推定しつつ,ロボットが動作主の意図した物体を先まわりして把持して手渡すシステムを開発した. ロボットの動作軌道生成手法の改良として,身体部位間の近接を含む動作軌道をインタラクションメッシュを用いてロボットモデルに適用する手法について,関節角度制約や関節角速度制約のように不等式で表される拘束条件も含めて不等式条件付きの二次計画問題として解くシステムを設計し,この実装を行った.これにより,干渉を避けつつも,関節角度と関節角速度をロボットの制約内に確実に収めることが可能となり,多様な動作軌道のロボット実機による再現に向けて一歩前進することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの手法の開発により、シミュレータ上でヒューマノイドロボットの動作をオンラインで生成する事が可能となった.しかしながら実機ロボットで検証するためには計算量の問題や自己干渉回避などの問題を解決する必要があり,今後の課題である. 本課題の解決に向けた手法の開発は進んでいるものの,まだロボット実機を安定に動作させるのに必要な要求を全て満たせていない部分があり,ロボット実機による検証実験には至っていない.この点に関しては達成度は十分とは言えず,今後の更なる努力が必要である.
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Strategy for Future Research Activity |
提案したオンラインにおける舞踊動作の時間伸縮手法によりロボットが安定に動作する事を物理シミュレーションによって検証する.また,新しい舞踊動作である秋田県のどんぱん踊りへ手法を適用し、その汎用性を検証する.あわせて,別の種類の踊りの解析も進めていく. ロボットの動作軌道生成に関しては,関節角度制約,関節角速度制約といった不等式拘束を扱うことも可能となったが,一方でそれらに加えて関節加速度平滑化や動力学バランス等を含む全ての拘束条件を同時に解こうとすると,計算量の問題で現実的な速度で解くことが難しくなってくることも判明した.本年度はこの問題の解決に取り組み,身体部位間の近接を含む人動作をHRP-4Cロボットの実機で再現できるようにする.また,音楽テンポに合わせて動作軌道を伸縮する手法とも組み合わせて,見まね学習の「アクティブ」な要素についてもロボット実機を用いた検証を進めていく.
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