2012 Fiscal Year Annual Research Report
確率関係モデルによる医療臨床データの高度活用に関する研究
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23240043
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
麻生 英樹 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 上級主任研究員 (10344194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋田 浩一 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 首席研究員 (00357766)
赤穗 昭太郎 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究グループ長 (40356340)
興梠 貴英 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40401046)
神嶌 敏弘 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (50356820)
荒牧 英治 東京大学, 知の構造化センター, 特任講師 (70401073)
城 真範 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 研究員 (90357244)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 医療・福祉 / 機械学習 / 統計数学 / 知識表現 / 循環器・高血圧 / 強化学習 |
Research Abstract |
研究計画2年目である平成24年度には、①循環器内科臨床情報データベースの整備・拡張、②オントロジーの整備・拡張、③確率モデルの構築と学習、④評価用課題へのモデルの適用、の4項目を実施した。それぞれの内容は下記のとおり。 ①臨床情報データベースの整備・拡張:昨年度に引き続き、東京大学医学部附属病院を中心に構築されてきた循環器内科情報データベースの拡張を行った。プロジェクトで評価対象として用いる課題=疾患群として、心不全の患者を新たに選定し、循環器内科の医療過程で収集されている各種のデータ(患者の属性、診察・処置・投薬情報、検査結果情報)を抽出し、確率モデリングに適した形に成形した。 ②医療オントロジーの整備・拡張と医学知の記述:前年度にデータ抽出した心筋梗塞(心臓カテーテル手術)および今年度に抽出した心不全の臨床データについて、処方された薬物の成分と分量、医学的効用、分類に関するオントロジーを整備した。 ③確率モデルの構築と学習・推論アルゴリズムの探索:昨年度構築したデータマイニングツールを、部分観測マルコフ決定過程を扱えるように拡張した。また、医師の行動データから報酬関数や状態価値関数を推定するための逆強化学習機能および徒弟学習機能を追加した。公平性の高い学習手法に関して様々な手法の関連性を明らかにした。 ④評価用課題への確率モデルの適用:心筋梗塞(心臓カテーテル手術)の臨床データに逆強化学習を適用し、特定の治療法の有効性の検証や医師が治療中に想定している報酬関数や状態価値関数の推定等を行った。心不全の臨床データに対してマルコフ決定過程によるモデル化を適用し、患者の状態の評価、医師の投薬処方の有効性の推定、患者の予後予測などを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薬剤に関するオントロジーの整備が少し遅れたため、今年度予定していた医学的知識を活用した関係確率モデルの導入については実施できなかったが、それ以外についてはおおむね順調に推移している。医学的知識の確率モデルへの導入に関しては、最終年度である来年度に重点的に実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成25年度には、これまでに明らかになった課題である、患者の状態の効率的な表現の学習と、医学的知識を用いた確率関係モデルの導入に重点的に取り組む。これまでに検討した手法とあわせて、評価対象とする疾患群に適用し、有効性の検証をより詳細に行ってゆく。今年度に機能拡張したツールは、データ解析の専門家以外でも使えるように整備するとともに、マニュアル等を整備して順次公開してゆく。
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