2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23240047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤田 一郎 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (60181351)
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Keywords | 両眼立体視 / 相関計算 / 対応計算 / 両眼対応問題 / 霊長類大脳皮質 / 奥行き弁別 / 局所電気刺激 / 両眼視差 |
Research Abstract |
二つの目は異なる角度から世界を見ており、左右の網膜像はわずかに異なる。しかし、我々は二つのずれた視野像を感じるのではなく、一つの立体世界を知覚する。左右網膜像の水平方向の位置ずれ(両眼視差)に基づき奥行きを知覚する能力は両眼立体視と呼ばれる。両眼視差の検出はV1で行われるが、V1細胞の活動は奥行き知覚の形成に直接貢献せず、その実現には視覚連合野が必要である。本研究では、(1)奥行きの弁別のために、両眼視差検出以後になされる情報処理内容を解明し、(2)高次視覚野(V4とMT)がこれらの計算過程へどう関与するかを検討する。この解析を通して、「奥行き知覚の成立に両眼相関計算と両眼対応計算の2つの過程が直接的に貢献することができ、両者り相対的貢献度は、視覚刺激条件に依存して計算に関与する脳部位が変わることにより、適応的に変化する」という仮説を検証する。 本年度は、V4細胞の両眼立体視への因果的関与を検証するため、V4に局所電気刺激を与え、刺激部位の両眼視差選択性に従って、奥行き判断が左右されるかを検討した。V4細胞は相対視差を算出することから、相対視差の検出が必要とされる「細かい奥行き弁別」に対する影響を検討する。局所電気刺激が効果を持つためには、似た性質を持つ細胞が局所的に集まっていなくてはならないが、V4細胞が両眼視差選択性に従って分布していることを申請者らはすでに明らかにしている。実験の結果、「細かい奥行き弁別」にV4野の活動が直接的に貢献していることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究計画において、もっとも難関であると思われて、微小電気刺激実験が成功し、V4野が細かい奥行き知覚に因果的に関わっていることが証明できた。本成果を、Joumal of Neumscience誌に公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にほぼ沿ってこのまま研究を推進していく。
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[Journal Article] Predicted contextual modulation varies with distance from pinwheel Centers in the orientation preference map2011
Author(s)
Okamoto, T., Ikezoe, K., Tamura H., Watanabe, M., Aihara, K., Fujita, I.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 1:114
DOI
Peer Reviewed
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