2012 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーネ菌菌体成分による宿主免疫修飾と炎症性腸疾患発病機序の解明
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23240061
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
百溪 英一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所・病態研究領域, 上席研究員 (50355145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗林 尚志 麻布大学, 臨床検査技術学科, 講師 (00386799)
山本 静雄 麻布大学, 臨床検査技術学科, 教授 (40130900)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / クローン病 / ヨーネ病 / ヨーネ菌 / 壊死性腸炎 / 抗酸菌 / マウス / ラット |
Research Abstract |
マウスの皮下にヨーネ菌よりエタノールで抽出した抗原を感作後に、直腸内に注入する方法で、3回の繰り返し実験を実施して病理組織学的な評価を行ったところ、病変の再現性は60-70%で良好であった。また病理組織学的な検査から急性の壊死性腸炎であることが確認できた。(動物衛生研究所)。腸組織及び腸間膜リンパ節の新鮮組織からRNAを抽出した。Total RNAからcDNAを合成して解析用に保存した。 ラットを用いて、マウスと同様の感作後に直腸内接種を行い観察を行ったところ、マウスと同様もしくはより激しい壊死性結腸炎が接種部位を中心に形成されることが明らかにできた。経腸的接種後の腸内での抗原感作時間を伸ばすと、症状はより激しくなり、一部のラットは死亡した。経時的な採血を行い急性相蛋白質についての解析を実施中である。(麻布大学) 一方、本実験で病変形成能が認められたヨーネ菌抗原の性状解析を進め、脂肪酸にペプチドがついた構造であること、6つのバンドに分画することができ、6番目のバンドに人のマクロファージ細胞株に対する腫瘍壊死因子産生誘導作用があることが明らかになった。(テネシー大学) ヨーネ菌の大量培養から各種抗原の生物活性検討のために用いる精製抗原を作成した。また、ヨーネ菌DNAの宿主に対する効果を解析するためのDNAの分離精製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヨーネ菌の脂質抗原については繰り返し実験により再現性が非常に良好であることを確認できた。脂溶性抗原の免疫応答解析のためのRNAおよびcDNAサンプルの保存が終了した。各種抗原の病変誘導能を個別もしくは複合作用として解析するための抗原の精製が完了した。 経時的な採血による炎症パラメーターの変動を解析するためのラットモデルの実験が進展した。しかし、本年度の実験ではラットに生じた病変が重度であったことから、クローン病類似の慢性病変を作成するためには接種抗原量をさらに変えて病変形成との関連をもう少し検討する必要がある。実験ラットからは血液サンプルが得られており解析を進めている。人のクローン病における炎症、生化学的なパラメーターとの比較を行う準備が出来た。 ヨーネ菌脂溶性抗原側の解析を進め、本抗原が6つの分画にわけられ、それぞれの分画の生物活性を人のマクロファージ細胞株を用いて予備的な検査をした所、ひとつの分画に生物活性が認められた。検査は腫瘍壊死因子のみについて実施したことから、その他のサイトカインなどについても調べていく。ヨーネ菌抗原側の検討については、テネシー大学からの招聘で年度内に2回のヨーネ病会議に招かれ、本課題の研究推進についての打ち合わせも行うことができた。 筆頭担当者が定年退職後に大学に移動したことから実験が完了しない部分が出たが、すべての試料を新たな大学に移動し、従来以上に研究を推進する事ができる状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の推進についての問題はなく、さらに推進をするために東京医科歯科大学や北里研究所病院等の協力を得ることとなっている。また、ヨーネ菌抗原側の研究についてはテネシー大学、米国数理学研究所の協力で更に推進する予定である。実験結果についてはできるだけすみやかに論文報告をしていく。
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Research Products
(4 results)