2011 Fiscal Year Annual Research Report
テーラーメイド治療への応用をめざすヒトiPS細胞の標準化培養器材の開発
Project/Area Number |
23240067
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
赤池 敏宏 東京工業大学, フロンティア研究機構, 教授 (30101207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
賀喜 白乙 東京工業大学, 生命理工学研究科, 特任助教 (20515168)
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Keywords | iPS細胞 / E-カドヘリン / 再生医療 / 組織工学 / ES細胞 |
Research Abstract |
ヒトiPS細胞を用いた再生医療の実現には,iPS細胞の安全性や様々な組織への分化制御も重要であるが,ヒトからの迅速なiPS細胞の樹立も課題の一つである.現在の樹立法では遺伝子導入後,ディッシュ上のiPS細胞の出現を観察して樹立している.このため,一つのディッシュのどこにどのくらい出現するかはわからないのが現状である.そこで,E-cad-Fcを利用したiPS細胞の効率的な樹立を実現する.線維芽細胞からiPS細胞を樹立する場合,線維芽細胞集団の中にiPS細胞が出現するようになる.線維芽細胞集団は,通常E-カドヘリンを発現していないがiPS化した線維芽細胞はE-カドヘリンを発現するようになる.そこで,遺伝子導入を行った線維芽細胞をE-カドヘリン-Fc上に培養して,E-カドヘリンを発現するiPS細胞のみをいち早く効率的に採取し,フィーダーフリーの培養系に移して増殖させていく.これによって迅速且つ効率的なiPS細胞の樹立を成功させる. 本年度では,ヒトiPS細胞の迅速な樹立法を検討するための条件検討として,マウスiPS細胞の樹立の迅速法について検討を行った.マウス繊維芽細胞にpiggyBAC法を用いて,Oct3/4,sox7,klf4,c-Mycの遺伝子導入を行い,マウス繊維芽細胞のiPS化に成功した.そして,マウスiPS細胞のE-カドヘリン-Fcコート培養皿に対する接着を検討した.その結果,新たに作製したマウスiPS細胞は未分化性を維持しており,E-カドヘリン-Fcコート培養皿に対する接着性が高いことが見出された.
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