2013 Fiscal Year Annual Research Report
デンドロン脂質の自己組織化によるオンデマンド多機能統合型デリバリーシステムの創製
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23240075
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
河野 健司 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90215187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 伊知男 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (10319519)
渡来 仁 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (50175139)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ医療 / 薬物送達システム / がん治療 |
Research Abstract |
本年度は、デンドロン脂質をベースとする高感度刺激応答ナノキャリアの機能評価とそのがん免疫治療への適用について検討した。カルボキシル基を末端に導入したデンドロン脂質と卵黄ホスファチジルコリンから成る混合ベシクルは、微弱酸性環境下で内包物質を放出した。この混合ベシクルにオボアルブミン(OVA)を封入してその免疫誘導機能について調べた。OVAを発現するEG-7.OVA細胞の腫瘍をもつマウスにこのベシクルを投与してその治療効果を調べたところ、弱酸性での応答機能の高いデンドロン脂質混合ベシクルを用いたときに最も顕著な腫瘍縮退効果が得られた。一方、生体適合性を有するオリゴエチレングリコール(OEG)鎖を末端に持つデンドロン脂質を用いて温度応答性ベシクルを作製し、温度による細胞へのデリバリー制御について検討した。このベシクルは低温では安定であるが特定の温度以上において著しく凝集した。また、凝集温度はデンドロン脂質のテイル部位の不飽和度およびデンドロン部位の世代数に依存しそれらの構造を制御することで応答温度を制御可能であった。OEGデンドロン脂質ベシクルに抗がん剤ドキソルビシン(DOX)を封入して、その細胞へのデリバリーの温度制御を試みたところ、転移温度以上でDOXを細胞内へ効果的に導入することが示唆された。さらに、OEGデンドロン脂質とリン脂質であるホスファチジン酸およびホスファチジルエタノールアミンとの混合ベシクルを作製し、その刺激応答性を検討した。その結果、この混合ベシクルは、温度とpHに応答して、凝集、崩壊する新しいタイプのデュアル応答型ベシクルであることがわかった。さらに、このベシクルはDOXの放出を酸性pHと体温以上の温度条件において著しく促進した。このデュアル応答型ベシクルは、標的病巣の細胞内において選択的にベシクル崩壊させ薬物をデリバリーする高性能キャリアとして利用できる。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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