2011 Fiscal Year Annual Research Report
超高分解能PETによる抗腫瘍効果診断に基づく腫瘍血流遮断型の革新的粒子線治療技術
Project/Area Number |
23240077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
寺川 貴樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10250854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒見 泰寛 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (90251602)
古本 祥三 東北大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (00375198)
山崎 浩道 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (00166654)
石井 慶造 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00134065)
松山 成男 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (70219525)
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Keywords | 粒子線治療 / 腫瘍血流遮断剤 / 超高分解能PET |
Research Abstract |
本研究では、腫瘍への線量集中性に優れ、高い細胞致死効果を持つ粒子線治療と副作用が少なく腫瘍血管を選択的に遮断する新規腫瘍血管遮断剤(欧米にて第3相臨床試験中、薬剤コード名AVE8062)を機能的に併用し、粒子線照射で正常組織への影響を最小限に留めつつ腫瘍内の放射線高感受性の有酸素腫瘍細胞領域を局所的に殺傷して、照射後のAVE8062投与により、残存する放射線抵抗性の低酸素腫瘍細胞を壊死に導く(兵糧攻め)革新的治療戦略の開発を目的とする。研究期間は平成23年度より4年間である。 平成23年度では,腫瘍辺縁部局所照射に必要な回転ガントリー多門照射装置と粒子線治療用ビームモニタリングとして、新規高機能粒子線モニターであるマイクロパターンガス検出器システムを開発した。回転ガントリー多門照射システムの開発では、東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターのビームスウィンガーシステムを活用した。その出射ポートに、治療用の陽子線形成のためのハイブリッド二重散乱体、深部線量分布形成用の回転フォイール型エネルギー変調フィルター、ボーラス・コリメータ、およびこれらの遠隔制御装置、さらに標的位置調整用の回転・3軸駆動対応の治療用ベッドを開発し、多門照射回転ガントリー照射システムを完成させた。 一方、高性能粒子線モニターの開発では、GEM電極を用いた128チャンネルの2次元マイクロパターンガス検出器を開発した。また、そのデーター読出しには、ASICを採用した多チャンネルデーター収集システムの開発に成功した。これにより、治療中の陽子線2次元強度分布について、1mm以下の分解能での実時間モニタリングが可能となった。このモニター方式は、粒子線治療用の2次元実時間モニターとしては新規のモニターである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の当初の研究実施計画である「回転ガントリー照射装置の開発」および「マイクロパターンガス検出型の高機能粒子線モニターの新規開発」について、ほぼ計画通りに開発が進展したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度前半に、回転ガントリー照射装置およびマイクロパターンガス検出器型高機能粒子線モニターに関する陽子線を用いた稼働試験を実施し、動作の最適化をはかり装置開発を完了させる。平成24年度後半では、これらの開発装置を用いて、本研究で提案する腫瘍血流遮断型の新規粒子線治療のための試験的なマウス固形腫瘍モデルによる動物実験を実施し、治療条件等の最適化を図る。平成25年度以降は、前年度の試験的な治療実験をもとに決定された治療プロトコルにしたがって同じくマウス固形腫瘍モデルによる本研究の治療実験を実施し、超高分解能PETスキャンによる治療効果の解析、比較対象の治療条件群との比較などを通じて研究を総括する。
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Research Products
(2 results)