2012 Fiscal Year Annual Research Report
詳細DEM画像による日本列島周辺海域の変動地形学的研究
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23240121
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中田 高 広島大学, 文学研究科, 名誉教授 (60089779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 英一 高知大学, 海洋コア総合研究センター, 特任教授 (10107451)
渡辺 満久 東洋大学, 社会学部, 教授 (30222409)
後藤 秀昭 広島大学, 文学研究科, 准教授 (40323183)
隈元 崇 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (60285096)
鈴木 康弘 名古屋大学, 減災連携研究センター, 教授 (70222065)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 活断層 / 海底活断層 / 日本海溝 / 巨大地震 / プレート境界型地震 / 2011年東北地方太平洋沖地震 |
Research Abstract |
日本列島周辺海域の活断層の分布とその特徴を解明するために,海上保安庁およびJAMSTECが取得した原データから新たに作成した90~150mグリッドのDEMをもとに立体視用画像を作成し,1)海底活断層の正確な位置・形状,2)海底活断層と過去の大地震・津波との関連を検討した. 1.日本海東縁の海底活断層の位置・形状:日本海東縁部の海底活断層分布は,比較的詳細に明らかにされている(活断層研究会:1991,岡村ほか:2002)が,本研究によって位置・形状や連続性に対する精度や信頼性がさらに向上した.松前海台の南西縁から男鹿半島北端部を結ぶ線を境に,活断層の配列に大きな違いが認められる.北部では活断層密度は低く,海盆や海丘の境界を限る北北西-南南東走向の大きな断層崖の基部に活断層が発達するのに対して,南部では北東-南西走向の断層崖を伴う比較的短い活断層が密に分布する. 2.2011年巨大地震・津波と海底活断層の関連:三陸中部沖から茨城県沖にかけての日本海溝の海溝陸側斜面下部には長さ約500kmの長大な逆断層が発達する.この活断層の位置・形状と海底地形の特徴を考慮した震源断層モデルを設定し,地殻変動と津波シミュレーションを行ったところ,2011年3月11日の地震時に観測された沈降量と津波高に極めて整合的な結果をえた. 3.銭洲断層系活断層の位置・形状と津波シミュレーション:南海トラフ東部の南方に位置する銭洲断層系は,これまで長さ約150㎞の活断層として知られているが,変動地形学的にはさらに東に連なる長さ275㎞以上の長大な活断層の可能性が高い.この活断層の位置・形状をもとに,津波シミュレーターを使った計算の結果,志摩半島周辺と御前崎周辺で8-10mと高く,遠州灘沿岸で6-8m,伊豆半島の南部と房総半島南部で5-6mであった.この結果は,1498年明応地震津波の観測結果によく対応する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は順調に進展し,数多くの学会発表など成果の公表を行っているが,雑誌論文が十分ではない.
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Strategy for Future Research Activity |
年次計画に従って着実に研究を遂行する予定である.また,研究成果の雑誌論文公表に注力するとともに,研究成果全体をまとめ刊行するための準備を進める.
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Research Products
(13 results)