2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23241016
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
加藤 憲二 静岡大学, 理学部, 教授 (70169499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻村 真貴 筑波大学, 生命環境科学研究科, 准教授 (10273301)
諏訪 裕一 中央大学, 理工学部, 教授 (90154632)
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Keywords | 陸圏・水圏・大気圏影響評価 / 地下水硝酸汚染 |
Research Abstract |
平成23年度実施計画のうち、 1.「現場環境の物理化学的特性の把握」については、測定した地点の中で茶畑の多い杉田地区における茶畑の直下地点で8.3~15.5mg-N L^<-1>と硝酸濃度がもっとも高く、高濃度は茶畑の影響であることが示唆された。また、イオンクロマトによる有機酸分析の結果、各井戸とも酢酸濃度が一番高く、溶存態有機炭素(DOC)の11~22%を占めた。 2.「フロンを用いた地下水滞留時間の測定」ならびに3.「水の同位体測定」については、異なった季節に取得したサンプルについて現在分析を進めている。 4.「環境条件変動と脱窒活性」については、富士山麓の中でも特に茶畑の多い南麓の杉田地区において、茶畑の上部と下部に位置する井戸から採水したサンプルについて、有機物濃度、酸素濃度の培養条件を変え、^<15>Nトレーサーを用いた脱窒活性測定を行った。どの条件でも^<15>NO_3^-の添加により^<30>N_2と^<46>N_2Oの生成が認められ、脱窒活性が確認された。グルコースを添加した培養系の方が^<30>N_2、^<46>N_2Oいずれについても高い活性を得られた。また水中の溶存酸素を除去した場合、培養期間の早い段階で^<30>N_2の生成が確認できた。 5.「Gene-FISHによる脱窒活性細菌の定量」については、nirK遺伝子をターゲットとする手法の確立を試みた。現場の環境中に優占していたクローンの遺伝子配列からデザインしたプローブを用い、nirK遺伝子を組み込んだ大腸菌を用いた実験では、nirK遺伝子の検出に成功した。環境サンプルへの応用に関しては検討の余地があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
9.概要に示した通り、現場データの取得ならびに培養実験は、結果を得つつある。研究実施計画5.Gene-FISH法については、既存株での手法は確立したが、現場への応用に課題があることがわかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画2.3.同位体等による水循環情報と、4.脱窒活性の変動に焦点を合わせて研究を進める。 5.Gene-FISH法については、手法の検討を行い、リアルタイムPCR法による検出作業に並行して取り組む。
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Research Products
(6 results)