2013 Fiscal Year Annual Research Report
カーボンナノチューブ層間滑りにおけるエネルギー損失―リニア振動子の構築に向けて―
Project/Area Number |
23241045
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 喜萬 大阪大学, 産業科学研究所, 招へい教授 (20128771)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平原 佳織 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40422795)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2014-03-31
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Keywords | ナノチューブ / ナノチューブの延伸 / 金属内包フラーレン / フラーレンの融合 / 電子エネルギー損失分光 / マニピュレータ / 線形振動 |
Research Abstract |
電場駆動型リニア振動子におけるエネルギー損失機構解明とこれを基にしたデバイス設計指針の構築に向けて研究を行った。 1)昨年度開発した透過電子顕微鏡用マニピュレータ(周波数2.0GHz以下)が適用可能なリニア振動子の設計を行った。分子動力学手法を用いて、ダンベル状のカーボンナノチューブ(CNT)をモデル化し、そこに内包したCNTカプセルの各位置におけるポテンシャルエネルギーを求め、デバイス寸法と共振周波数の関係を求めた。 2)ダンベル状CNT製作の自由度を確保するため、層数の少ないCNTの通電延伸だけでなく多層CNTを素材としたプロセスを検討した。CNTに過剰電流を与えると中央付近の外層から昇華し、1層ないし数層が残された状態を得る。これに穏やかな過剰電流を流すと、CNTから炭素原子が抜けていき直径が細くなる。直径3nm程度以下ではこの手法の適用が困難となり延伸を与える必要がある。 3)デバイスの最終形態(ダンベル状CNT内に金属内包CNTカプセルを閉じ込める)を製作する方法を検討した。[1]ダンベル状CNTを先ず製作、そこに金属内包フラーレンを導入しそれらを融合する方法と[2]金属内包フラーレンをあらかじめ導入したCNTをダンベル状に加工し、かつフラーレンを融合する方法がある。[1] では直径1nm程度の細いCNTを間に挟み一端が開いた構造を保持するのが困難なため、主に [2]を検討した。通電加熱によっても金属内包フラーレン(Sc3N@C80)を融合でき、Sc原子内包CNTカプセルを製造できた。しかし、外層CNTを適切なダンベル形状に加工するまでには至らなかった。個々の加工に要するエネルギーという観点からは、目的とする構造の製作は可能と思われる。 今年度の成果は以上であり、本計画年度内に電場駆動型リニア振動子におけるエネルギー損失の機構を解明するには至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)