2011 Fiscal Year Annual Research Report
次世代衛星と噴火推移データベースによる東アジア活火山観測の高度化
Project/Area Number |
23241055
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金子 隆之 東京大学, 地震研究所, 助教 (90221887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 敦 東京大学, 地震研究所, 准教授 (70222354)
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Keywords | 火山 / リモートセンシング / 東アジア / 防災 / ウエッブ |
Research Abstract |
東アジアには多数の火山が分布するが,大半は恒常的な観測体制が敷かれていない.本地域の活火山の観測データ収集と防災に資するため,我々は,衛星による観測システム構築と運用に取り組んでいる.本年度は,2014年度に打ち上げられる我が国の新衛星GCOM-C1に搭載される新センサーSGLIのデータを利用した観測手法の開発に取組んだ.SGLIには1.6μmと11μmの2つの波長域に分解能250mのチャンネルが組込まれている.このため,これまでのMODISやMTSATの観測では熱異常の変化傾向しか捉えられなかったものが,熱源の状況の変化を捉えられる可能性がある.本研究ではSGLIの2つの高分解能チャンネルを使って,溶岩ドーム噴火に伴う火砕流の有無とその拡大状況を観測する手法の検討を行った.これには,ランドサットTMで観測した雲仙溶岩ドームの画像のバンド5(1.6μm,30m分解能)とバンド6(11μm,120μm分解能)から,リサイズにより250μm分解能の疑似SGLIデータを作成した.この疑似SGLIデータを使って,両チャンネルの熱異常域の面積の比を見ることにより,250mの分解能であっても,火砕流有無およびその拡大状況が十分観測できることを確認することができた.この今後のアルゴリズム化に関して,Wooster教授とも議論を行った.一方,噴火推移データベースに関する研究として,サリチェフ2009年と新燃岳2010年噴火の研究に着手した.両噴火は規模は異なるが,MODISによる熱異常パターンが類似しており,熱異常パターンと噴火推移の対応を関係明らかにするため,噴火推移の詳細を進めた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
懸案であった新衛星GCOM-C1 SGLIによる熱源の識別について,解析方法を考案し,疑似データによってその有効性を確認できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,新衛星GCOM-C1 SGLIによる熱源の識別について,雲仙以外の事例を幅広く収集し,その妥当性や噴火の推移に伴うパラメータの変化について検討を進めて行きたい.また,サリチェフ2009年,新燃岳2010年で見られた急峻なピークをとるパターン以外の噴火についても,推移の検討と類型化を進める.
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Research Products
(3 results)