2011 Fiscal Year Annual Research Report
インド亜大陸北東部の洪水の原因である多重時空間スケールの降水過程に関する研究
Project/Area Number |
23241057
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10111981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺尾 徹 香川大学, 教育学部, 教授 (30303910)
村田 文絵 高知大学, 自然科学系, 講師 (60399326)
山根 悠介 常葉大学, 教育学部, 講師 (10467433)
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 教授 (60263159)
竹見 哲也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10314361)
松本 淳 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80165894)
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Keywords | アジアモンスーン / 降水過程 / 季節内変動 / アッサム / メガラヤ / バングラデシュ / 洪水 |
Research Abstract |
以下の項目について研究を実施しました。 (1)インド北東部のアッサム、メガラヤで降雨過程の観測網の維持管理:2012年2月から3月にかけて、アッサムやメガラヤに設置した20台の雨量計および自動気象観測装置の点検し、気象資料を回収しました。Gauhati大学、インド工科大学ガウハチ校およびNorthEastern Hill大学の協力を得ました。その結果、既存のインド製の雨量計が老朽化していて動作が悪いので、日本製の雨量計に交換することを計画しました。 (2)バングラデシュの雨量観測網および自動気象観測装置の維持管理:バングラデシュに展開した雨量観測網と自動気象観測装置の保守管理を行ない、データ回収をしました。この保守点検では、バングラデシュ気象局の全面的な協力が得られました。 (3)気象資料の解析:降水量の空間分布を解析することで、インド亜大陸北東部の南北数10kmの距離の間で,年間降水量が3000mmから8000mmまで大きく変化することが認識できました。また、自動気象観測装置による1分毎の気圧、気温、湿度、風、日射、降水量の基本気象要素を高い時間分解能で観測しての資料を解析して、詳細な降水過程を明らかにすることができました。あわせて、バングラデシュ気象局のドプラーレーダの資料を入手して、解析をしました。 (4)計算機資源が充実しているに日本おいて、既存のメソ気象モデルによる気象状況の再現実験の準備をしました。同時に、ダッカにある南アジア政府連合(SAARC)気象研究センターにおいて、メソ気象モデルの導入を計画して、将来のモデル導入の可能性を探りました。バングラデシュ気象局においても同様な計画をsました。 (5)以上の結果をふまえて、インド熱帯気象研究所とインド工科大学ガウハチ校でで開催された国際会議で成果を発表しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
観測対象地域である、インド亜大陸北東部での活動は概ね順調に行うことができました。インド北東部のアッサム、メガラヤでは、Northeastern Hill大学、Gauhati大学、インド工科大学ガウハチ校の協力を得て、20地点の雨量計および1地点の自動気象観測装置の点検し、気象資料を回収しました。バングラデシュの雨量観測網および自動気象観測装置の維持管理は、バングラデシュ気象局とバングラデシュ工科大学の協力を得て実施し、観測資料を回収しました。これらのデータをまとめて記録し、研究グループでのデータの活用のためのデータベースの作成を計画した。降水観測の雨量計の老朽化が著しいので、平成24年度から逐次更新する計画を立て設置場所についても検討をしました。平成24年度の雨期の最盛期に、バングラデシュのダッカ、ボグラ、チッタゴン、シレットの4地点で集中高層観測を行うため、バングラデシュ気象局と打合せを行い、実施の準備を行いました。気象モデル伸しようについても準備を進めて、平成24年度に予備的な結果が出るような計画を立てました。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の項目について、平成24年度および、25年度には以下の活動を実施を予定しています。(1)気象および水文資料の収集(担当:全員、Habib、Shanewaz)。 ダッカにおいて、バングラデシュ気象局を訪問し、地上気象、高層気象、レーダなどの気象資料の収集を行う。また、水管理研究所のShahNewaz研究員をはじめとするスタッフとともに、バングラデシュ水文局が所有する水文資料(水位,水量,雨量など)を収集する。 (2)過去の豪雨と洪水の実態調査および情報収集(担当:林、松本、Shahnewaz)。過去の発生したメガラヤ、アッサムの洪水について、資料を収集する。これらの官署の他に、市役所などの行政官署でも被害の実態を調査する。 (3)平成24年度には高層観測を集中して他店で行い、降水過程の詳細を明らかにする。 (4)気象水文モデルの試行(担当:石川、竹見、寺尾)。 平成26年度は主として解析を進めて研究のとりまとめを行う。
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Research Products
(12 results)