2013 Fiscal Year Annual Research Report
インド亜大陸北東部の洪水の原因である多重時空間スケールの降水過程に関する研究
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23241057
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10111981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹見 哲也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (10314361)
山根 悠介 常葉大学, 教育学部, 講師 (10467433)
寺尾 徹 香川大学, 教育学部, 教授 (30303910)
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 教授 (60263159)
村田 文絵 高知大学, 自然科学系, 講師 (60399326)
松本 淳 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (80165894)
福島 あずさ 神戸学院大学, 人文学部, 講師 (40634209)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 気象災害 / 洪水 / インドモンスーン / 気象観測 / 高層観測 / バングラデシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の特別集中観測、観測機器の維持管理、および研究集会を実施しました。 (1)2013年8月の夏季モンスーン期に、バングラデシュで集中高層観測を、10日間にわたって実施しました。バングラデシュ気象局の高層観測地点のダッカ、チッタゴン、ボグラの3地点に加えて、北東部のシレットに日本から観測機器を持ち込み、全部で4地点で、一日4回(0, 6, 12, 18 UTC)の同時観測を実施しました。この観測により、高度15kmまで風向風速、気温、湿度の高度分布の観測データを得られ、この地域で発生する豪雨の立体構造を明らかにすることができました。(2)インド北東部のアッサム、メガラヤおよびバングラデシュで、自動気象観測機器および雨量計の維持管理、整備をしました。この観測結果を解析して、インド亜大陸北東部の、降水の発生について、年々変動、季節変動、季節内変動、日変化など、多重時空間構造を明らかにできました。とくに、自動気象観測装置による1分ごとの高い時間分解能を持つ観測データから詳細な降水過程、また、多数配置した雨量計により空間的な分布の特徴についても明らかにできました。(3)インド気象局、バングラデシュ気象局および南アジア政府連合(SAARC)気象研究センター(SMRC)を訪問し、現業の気象データを入手しました。(2)の資料とともに、洪水発生時の気象状況を解析しました。さらにバングラデシュ水文開発局(BWDB)で水文データを入手し、気象データと合わせて、洪水の発生の気象状況、河川への流入の予備的な解析をしました。(4)2013年10月26-27日に、活動のとりまとめとして、「京都大学 防災研究所一般共同研究集会25K-09 第9回南アジアおよびインドシナにおける自然環境と人間活動に関する研究集会-インド亜大陸東部・インドシナの自然災害と人間活動-」を開催しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2013年8月の夏季モンスーン期に、バングラデシュで、ダッカ、チッタゴン、ボグラ、シレットの4地点で、一日4回(00,06,12,18UTC)の同時観測を実施しました。平成24年度予定に予定でしたが、計測機器の通関が不調で、観測の実施が1年遅れました。今年度の観測は順調に実施することができて、地上から高度15kmまでの風向風速、気温、湿度の高度分布の観測データを得られました。この結果、後れを取り戻すことができました。インドh9億東部のアッサム、メガラヤ、バングラデシュの気象観測機器の維持管理、整備は、現地のGauhati大学、NorthEastern Hill大学、インド工科大学ガウハチ校バングラデシュ気象局の協力を受けて、順調に進めることができました。インド気象局、バングラデシュ気象局および南アジア政府連合(SAARC)気象研究センター(SMRCでは、これまでの気象データを入手でき、さらに、洪水発生時の気象状況を解析することができました。さらにバングラデシュ水文開発局(BWDB)で水文データを入手しました。この結果、観測実施の遅れを取り戻して、おおむね順調に進展することができました。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の推進計画を予定している。 (1)2013年度の夏季モンスーン期のバングラデシュの集中気象観測との比較のため、乾期の高層観測を実施:バングラデシュ気象局のダッカ、チッタゴン、ボグラで1日2回ないし4回の観測を実施します。 (2)インド亜大陸北東部のアッサム、メガラヤ、バングラデシュの気象観測網の維持管理および整備:2015年2-3月に現地のGauhati大学地理学部、Cotton大学物理学部、Indian Issstitute of Technologu, Guwahati土木学科、North Eastern Hill大学地理学部の協力の下で実施します。 (3)気象資料および水文資料の収集:過去の基本地上気象要素の資料をバングラデシュ気象局、インド気象局で収集します。 (4)最終年度のとりまとめとして、インドまたはバングラデシュでシンポジウムやワークショップを開催する。また、インドからの研究者を招へいし、とりまとめの議論や会議について議論します。
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Research Products
(20 results)