2012 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンを用いた方法論に基づく脊椎動物フェノーム解析の基盤形成
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23241063
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
川上 浩一 国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 教授 (70195048)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ゲノム / 遺伝学 / 遺伝子 / 神経科学 / 発生・分化 |
Research Abstract |
(1)モデル脊椎動物ゼブラフィッシュにおいて、Gal4を組み込んだ遺伝子トラップコンストラクトを用いたスクリーニングを行い、細胞・組織・器官特異的にGal4を発現するトランスジェニックフィッシュを、新たに100系統作製することに成功した。これらをかけあわせ、分子生物学的解析を行うことにより、単一挿入をもつ系統を樹立し、トランスポゾン挿入部位を決定した。 (2)これまでに我々が作製してきたトランスジェニックフィッシュを用いて、初期発生研究、器官形成研究、神経科学研究を行った。側線神経細胞が誕生日に依存してサブタイプを決定すること(Lopez-Schier博士との共同研究)、前腎形成のメカニズム(横山博士との共同研究)、付属肢(ヒレ)形成のメカニズム(田村博士との共同研究)、頭蓋顔面骨の詳細な形成過程(八田博士との共同研究)、感丘形成のメカニズム(和田博士との共同研究)、グリシン作動性シナプスの形成メカニズム(平田博士との共同研究)を明らかにした。 (3)UASの下流にチャンネルロドプシン、及び改良型GCaMPをつないだUASエフェクタートランスジェニックフィッシュ系統を開発した。前者を用いて、人為的に光刺激により神経細胞を活性化させることに成功した。後者を用いて視覚刺激に応答した脳の神経活動のリアルタイムイメージングに成功した。 (4)脳の様々な領域でGal4を特異的に発現するトランスジェニックゼブラフィッシュ系統約70系統について、UAS:GFP系統とかけあわせ、それらから脳の連続切片を作製し、脳領域得意的なGal4発現を同定した。これらは脳機能解析のための基盤となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時目標とした新規トランスジェニックフィッシュの作製数50系統を大幅に越えて新規系統の開発に成功した。またそれらに基づいて、我々自身の研究室および共同研究者の研究室から平成24年度中に関連論文計13報を発表することができたから。
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Strategy for Future Research Activity |
研究は当初の計画以上に進展しており、今後のさらなる発展を目指す。
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Research Products
(57 results)