2012 Fiscal Year Annual Research Report
8位置換プリン化合物ライブラリーの合成とリボスイッチリエンジニアリング
Project/Area Number |
23241073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中谷 和彦 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (70237303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 史恵 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (30252711)
萩原 正規 弘前大学, 理工学研究科, 准教授 (40403000)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | リボスイッチ / 8位置換プリン化合物 / ライブラリー |
Research Abstract |
1)アプタマー部位を部分ランダム化したプリンリボスイッチRNAライブラリーの構築 昨年度に引き続き、プリンリボスイッチを機能テンプレートとして、小分子リガンド認識部位を部分的にランダム化したDoped-RNAライブラリーから、人工分子(8位置換プリン誘導体)により駆動される人工リボスイッチ配列の取得を試みた。セレクションラウンドを増やすことにより、より強く結合するRNA配列の取得を目指して種々条件を振ってセレクションを行ったが、顕著な結合RNAの取得にはまだ至っていない。具体的には、アデニンリボスイッチのDoped-RNAライブラリーの中から、8位置換プリン誘導体に結合する配列として取得を試みた。現状では、セレクションの方法等について、その条件設定が不十分である可能性が考えられる。 2)8位置換プリン誘導体化合物ライブラリーの構築 昨年度までに構築したおおよそ15化合物からなるライブラリーについて、蛍光ディスプレイスメントアッセイにより、結合するRNAの探索を行った。 アプタマーのセレクションが予想外に難しい状況となったので、8位置換プリン誘導体化合物ライブラリーから、数種のRNAに焦点を絞って結合するRNAの有無を探索した。蛍光指示薬としてX2Sジメチル体をもちいて、数種のマイクロRNA前駆体を標的として結合する化合物を探索した。その結果、いくつかの化合物については、マイクロRNA前駆体に結合する事が示された。さらに、これら化合物の結合の確証を得るために、RNAを表面プラズモン共鳴センサーに固定化した後、各RNAの結合を評価した。その結果、確かにSPRでの結合が確認される化合物の探索に成功した。また、これら化合物の誘導体、置換一異性体との結合比較実験を行った所、結合位置の違いにより顕著な結合の違いが認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
8位置換プリン化合物ライブラリーについては、合成法を確立しすでにライブラリーとしてスクリーニングに供する等、計画を上回る達成度と考えている。さらに、蛍光ディスプレイスメントアッセイとの組み合わせにより、プレマイクロRNA前駆体への結合評価実験を既に終えている。さらに、蛍光ディスプレイスメントアッセイにより探索された8位置換プリン化合物については、標的RNAを表面プラズモン共鳴センサー上に固定化したチップを作成し、ビアコアT-200SPR装置により化合物の結合を評価した。その結果、ライブラリースクリーニングにより選択された化合物のいくつかには、SPRで結合が確認される化合物が確認されている。 アデニンリボスイッチの8位置換プリン化合物を用いた人工リボスイッチへの改変は、ドープトライブラリーの構築と、アプタマーのin vitroセレクションを数度繰り返しているが、十分に高い親和性を示すアプタマーの単離にはまだ至っていない。現在、セレクション条件を詳細に見直してセレクションラウンドを重ねている状況であり、間もなく目的とするRNAの単離に至ると思われる。 以上の点から、本研究は概ね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
ドープトライブラリーからのアプタマースクリーニングに全力を傾注している。 現在まで化合物を絞ってスクリーニングを行っているが、セレクション結果が思わしくない場合には、対象とする化合物を変更してセレクションを実施し直す予定である。 一方、化合物ライブラリーとマイクロRNA前駆体との結合評価で得られたヒット化合物については、どのような結合様式を持っているか、詳細にスペクトル解析等を行う予定である。
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Structure-activity studies on the fluorescent indicator in the displacement assay for the screening of small molecules binding to RNA2012
Author(s)
Umemoto, S.; Im, S.; Zhang, J.; Hagihara, M.; Murata, A.; Harada, Y.; Fukuzumi, T.; Wazaki, T.; Sasaoka, S.; Nakatani, K.
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Journal Title
Chem. Eur. J.
Volume: 18
Pages: 9999-10008.
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