2012 Fiscal Year Annual Research Report
歴史認識の変容と文化遺産・景観の思想に関する比較研究
Project/Area Number |
23242045
|
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
立石 博高 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (00137027)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八尾師 誠 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20172926)
篠原 琢 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20251564)
千葉 敏之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20345242)
金井 光太朗 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40143523)
相馬 保夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90206673)
工藤 光一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (80255950)
吉田 ゆり子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50196888)
新井 政美 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (60167989)
臼杵 陽 日本女子大学, 文学部, 教授 (40203525)
北村 暁夫 日本女子大学, 文学部, 教授 (00186264)
池田 嘉郎 東京理科大学, 理学部, 准教授 (80449420)
工藤 晶人 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 講師 (40513156)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 西洋史 / 東洋史 / 日本史 / 文化遺産 / 歴史認識 |
Research Abstract |
今年度は、研究代表者・分担者による個別調査・研究のほか、1. 個別研究の中間報告、および成果の確認のための 全体研究会、2. イスラーム自由大学・シーラーズ校(イラン)との共催による国際会議、および共同調査、を行った。 1. 全体研究会:第1回、シーラーズにおける国際会議の準備のための報告会、第2回、3月7日、吉田ゆり子、近代日本の文化財行政の諸問題 2. イスラーム自由大学・シーラーズ校との共催による国際会議:分担者の八尾師誠教授が中心となって、イスラーム自由大学(Islamic Azad University)・シーラーズ校との共催で、「文化遺産とアイデンティティ形成」(International Conference on Cultural Heritage and Identity Formation)とする国際会議を開催した(9月5・6日)。会議には100本以上の報告が提出され、本プロジェクトからは、千葉、金井、臼杵、篠原が報告を行い、最終日の総括パネルには、八尾師、篠原がパネリストとして参加した。プロジェクト申請時には、今年度はパリでワークショップを行う予定であったが、ヨーロッパ史と中東・イスラーム研究をつなぐ課題が予想以上に進展したため、イランでの国際会議を実現することができた。会議後、イランの文化財保全をめぐって、イスラーム自由大学の研究者と共同調査を行った。 これらの活動を通じて、ヨーロッパを中心とした文化財についての概念形成、その保全をめぐる実践について、批判的な視点を獲得することが可能となり、歴史意識と景観保全の思想の地域を横断した比較検討が可能となった。こうして、主題設定・方法論的問題点について、研究分担者相互に共通理解が生まれ、個別研究相互の連携が緊密となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究分担者の個別研究が計画通り順調に進展しているだけでなく、ヨーロッパ研究と日本、中東・イスラーム研究を横断する視座が形成され、歴史認識の変容とそれに伴う文化遺産・景観保全概念の生成・発展について、比較史的に解明しようとする、主題的・方法論的な見通しが研究分担者に共有された。文化遺産概念について、それを歴史学として扱うための共同作業の体制が整った。また、個別の研究成果を国際会議で発表することによって、中間的な総括をすることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
来年度は、歴史学・美術史・都市計画といったさまざまな領域で文化遺産の保全について、研究・実践を続けているクラクフの国際文化研究所で国際会議を行う計画である。これによって、研究成果をめぐる批判的な討論が可能になるだけでなく、ヨーロッパの専門家との研究ネットワークの形成が期待される。分担者の個別研究は引き続き継続される。
|
Research Products
(42 results)