2013 Fiscal Year Annual Research Report
ローカル・センシティヴなジェンダー地理学とグローバル・ネットワークの構築
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23242053
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
熊谷 圭知 お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (80153344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 直樹 明治大学, 文学部, 教授 (00274407)
倉光 ミナ子 天理大学, 国際学部, 准教授 (10361817)
森 正人 三重大学, 人文学部, 准教授 (10372541)
石塚 道子 お茶の水女子大学, 人間文化創成科学研究科, 名誉教授 (20149553)
森本 泉 明治学院大学, 国際学部, 教授 (20339576)
関村 オリエ 群馬県立女子大学, 文学部, 専任講師 (70572478)
福田 珠己 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (80285311)
寄藤 晶子 松本大学, 総合経営学部, 講師 (80440551)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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Keywords | 文化地理学 / 社会地理学 / ジェンダー / ローカル / グローバル |
Research Abstract |
今年度の活動の目的は、2013年8月に開催された京都国際地理学会およびその「ジェンダーと地理学」研究委員会のプレ会議を主宰し、海外研究者とのネットワークを構築することであった。そこでは、研究代表者・分担者が、本大会・プレ会議のいずれかにおいて英文で報告するとともに、海外の研究者との対話的な議論を構築すること、また若手研究者・院生の研究報告をプロモートすることを具体的な目標として掲げた。さらに欧米における空間論・場所論/フェミニスト地理学において中心的な地位を占めるドリーン・マッシー教授(英国オープンユニヴァーシティ名誉教授)を招聘し、地理学界内外に議論を喚起することをめざした。 これらの活動の目的は、十分成功裏に達成された。8月1~4日、奈良女子大学で開催された「ジェンダー・権力・知――ローカルな感受性を伴うグローバルなネットワークの構築」と題したプレ会議には、海外から15名の参加者を得、研究分担者の倉光、寄藤、連携研究者の吉田、影山に加え、熊谷が指導するお茶の水女子大学の博士後期課程院生3名が報告した。また8月5日~10日まで京都で開催された国際地理学会の本大会では、代表者の熊谷のほか、研究分担者の関村、大城、福田、森、森本、関村がそれぞれのセッションで報告したほか、研究協力者の太田麻希子、熊谷の指導院生2名も報告を行った。これらの研究報告は海外の参加者からも大きな反響を得、今後のネットワーク形成の重要な基盤となった。 海外研究者の招聘についても、計画通り、2014年3月にドリーン・マッシー教授を招聘し、人文地理学会例会(3月21日、大阪)、お茶の水女子大学でのワークショップ(3月26日)、日本地理学会講演(3月27日、国士舘大)を開催した。いずれも多くの聴衆を集め、刺激的な討論の場を提供することに成功し、日本の学界・研究者(とりわけ若手研究者)の活性化に大きく貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
申請時の研究計画中、最大の眼目は、2013年8月に京都で開催される国際地理学会における「ジェンダーと地理学」セッション、およびジェンダーと地理学研究委員会主宰のプレ会議の主宰であった。8月3~4日、奈良女子大で開催したプレ会議には、海外8か国から20名、日本国内から15名の参加者を得た。本大会と併せて、グローバルなネットワーク構築の基盤となる研究討論と信頼関係が醸成した。日本側参加者15名のうち5名が科研の研究代表者と分担者、4名が研究協力者・連携研究者、4名が研究代表者が指導する大学院生であった。また本大会でも、研究代表者の熊谷ほか、研究分担者5名が報告を行ったほか、研究協力者1名、代表者の指導院生2名が報告を行った。院生たちの報告も、国際レベルの研究水準に十分到達しており、日本のジェンダー地理学の多様さとポテンシャルを、海外のジェンダー地理学研究者に強く印象づける機会となった。 2014年3月には、研究計画書に記したとおり、イギリスのドリーン・マッシーオープンユニバーシティ名誉教授(文化・社会・経済地理学)を招聘し、関西で2回、東京で2回の講演会(人文地理学会、日本地理学会)およびセミナー(大阪市大、お茶の水女子大)を実施した。いずれも多数の聴衆を集め(人文地理学会例会は約60名、日本地理学会講演は約100名、お茶大セミナーは約40名)、特に院生を含めた若手研究者には多大な刺激を与えることができた。 これらの会を主宰するための準備を含めた研究会も予定通り3回開催し、大学・勤務地を異にする研究メンバー間の連携も密に維持されている。現在、これらの研究成果を取りまとめるべく、鋭意準備を進めている。 以上のように、本研究会は当初の計画以上に、その課題を達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究計画は、下記のとおりである。 (1)研究会の開催(秋、日本地理学会または人文地理学会の前後を予定):研究成果の取りまとめと刊行の方法、シンポジウム開催についての議論を行う。(2)シンポジウムの開催(2015年3月の日本地理学会を予定)「ジェンダーと空間・場所」研究グループの研究成果を提示する。(3)京都国際地理学会、奈良プレ会議の研究成果のとりまとめと刊行。(4)マッシー教授講演・セミナーの成果のメンバー内での共有と公表。 これらを通じて、研究グループの成果を、学界および一般社会に広く還元することをめざす。
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Research Products
(29 results)