2011 Fiscal Year Annual Research Report
イノベーションデータベースの構築とオープンイノベーションの国際比較研究
Project/Area Number |
23243041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
元橋 一之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345441)
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Keywords | 経済理論 / 経済統計学 / 経済政策 |
Research Abstract |
4年計画の初年度として、主にデータベース基盤の構築作業を行った。具体的には以下のとおりである。 (1)イノベーションデータベース基盤の構築 事業所・企業統計をベースに特許データを接続したイノベーションデータベース基盤のプラットフォームとなるデータの構築を行った。また、全国イノベーション調査については個票申請の手続きに時間がかかったため、個票の入手のみにとどまった。なお、企業活動基本調査、知的財産活動調査及び科学技術研究調査については、文部科学省科学技術政策研究所において特許データとの接続作業が行われており、同研究所との連携によって当方のデータベースにも取り込む予定である。特許データについては、日本特許に関するIIPパテントデータベースのアップデートと行い、更にEPOにおけるPATSTAT(世界の特許データ)と中国知識産権局の中国特許データを購入して、IIPパテントデータベースと接続を行った。また海外企業データ(Compustatなど)との接続についてはOECDにおけるプロジェクトとの連動を模索しており、OECDサイドに作業進捗状況の把握を行った。更に、オープンイノベーションに関して米国との比較研究を行うためにDuke/Georgia Tech American Competitiveness Surveyの質問票をベースに、日本における新商品開発プロセスを把握するための質問票を設計した。なお、調査の実施は経済産業研究所のプロジェクト経費で行った。 (2)実証分析 上記のデータベースを用いて、特許データから見た産学や企業間の共同研究開発(オープンイノベーション)の状況と企業の成長・生存に関する分析を行った。 (3)理論・分析手法研究 研究開発に関する外部連携について、技術の出し手と受け手のそれぞれにおける障害について理論的なサーベイを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データベースの構築作業については、外部機関との連携によって実施するところにおいて外部機関の作業状況待ちのところがあるが大きな遅れにはなっていない。その他政府統計の個票申請に予想外に時間がかかったところがあるが、おおむね順調に進んでいる。実証分析と理論的検討の部分は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースの構築については、IIPパテントデータベースなどの特許データのアップデートに集中し、その他のデータとの接続については科学技術政策研究所における作業を取り入れながら行う。今後は分析と理論的検討にフォーカスして作業を行うこととするが、国際比較分析において、米国との比較は日本における新商品開発プロセスにおける外部連携に関する調査データを用いて行う。ヨーロッパと中国については、,OECDにおける共通の質問票を用いて行われている全国イノベーション調査のデータをメインに行うこととする。また、同時並行的に特許データを用いた国際比較分析も行う。
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Research Products
(7 results)