2014 Fiscal Year Annual Research Report
イノベーションデータベースの構築とオープンイノベーションの国際比較研究
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23243041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
元橋 一之 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30345441)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 経済理論 / 経済統計学 / 経済政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本のイノベーションシステムの特徴を米国や中国と比較して分析するためのデータ分析を進め、実証研究を行うための理論的フレームワークとシミュレーションモデルを完成した。具体的には、特許情報から研究機関・企業の共同発明に関する社会ネットワーク分析を行い、日本においては産学連携や企業間連携がより長期的なパートナーシップのもとに行われていることを確認した。また、オープンイノベーションが企業パフォーマンスに与える影響について分析を行い、日本企業においては経営トップによるリーダーシップやオープンイノベーションに関する専門組織を設置することが有効であることを確認した。更に、共同研究に関する関係特殊性や長期的取引の度合いをパラメーターとするマルチエージェントシミュレーションモデルを構築し、日本型のイノベーションモデルの長所・短所(例えば漸進的なイノベーションに関しては優位性があるものの、革新的なイノベーションのパフォーマンスは低くなる)をリストアップした。理論的にはオープンイノベーションの決定要因として、取引コスト理論と資源ベース理論の比較を行った。経営資源の市場取引が活発な米国型モデルにおいては取引コスト理論が有効であり、その一方で長期的な取引によって経営資源のCo-Specializationを進めることで、パートナーシップから付加価値を引き出す日本型モデルは資源ベース理論を適用することが有効であることが分かった。このように企業・特許の接続データの作成とそのデータを用いた実証分析、マルチエージェントモデルを用いたシミュレーション分析、理論的研究を組み合わせて、日本型イノベーションシステムの特徴を整理し、政策的なインプリケーションを整理した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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