2011 Fiscal Year Annual Research Report
高次システム創出のための共生的産業間技術創造メカニズムの研究
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23243056
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤村 修三 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (90377044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 一義 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 教授 (50565736)
尾形 わかは 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (90275313)
辻本 将晴 東京工業大学, 大学院・イノベーションマネジメント研究科, 准教授 (60376499)
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Keywords | 高次システム / スマートグリッド / 原子力発電 / 高次産業 / M&A / 技術者倫理 / フランス / 国際共同研究 |
Research Abstract |
本年度は昨年までの基盤研究(B)「自動車電子化推進のための自動車-半導体産業間技術共同開発の在り方」で行われた研究を発展的に引き継ぐと共に、研究プロジェクトの初年として次年度以降の研究のための基盤整備を行った。 研究成果としてはM&Aにより国籍の異なる二つの企業が合併した際の業務認知度の統合について調査した研究結果がImpact Factor 1.298(経営系では高い)の海外学術雑誌(Journal of International management)に採択された。また、高次産業、高次システムなど眞システムの創造に関わる技術者が持つべき必須要件である技術者倫理についても国内雑誌に1報論文が掲載された。他にも昨年度までの研究の発展結果として7件の国際会議発表、5件の国内会議発表を行った。 研究初年度としての基盤作りであるが、申請時の研究計画ではまずこれまでの研究からの継続性を考えて自動車-半導体産業から調査を始めることにしていた。しかし、東日本大震災からの復興も考え、3年目以降ではなく当初からスマートグリッドなどのより広い産業を対象として研究を行うことにした。そのきっかけとして、本年度は原子力発電事業に着目した。原子力発電事業は一社が全ての商品(電力)を供給する産業ではなく、東芝、日立などの装置産業、東京電力等電力会社、監督官庁、地方自治体が関与する一つの高次システム産業である。本年度はこの原子力発電を積極的に進めているフランスの原子力発電事業関係組織(ECA.、EDF、IRSN、アレバ社)で聞き取り調査を行った。(成果は次年度発表する。) 高次システム産業研究を国際的に進める目的から分担研究者の日高がカタルニア工科大、ケンブリッジ大、マンチェスター大と意見交換を行った。また、藤村はハンブルク工科大に加えて、本年度デルフトエ科大を訪問し、先方より研究協力(可能なら共同研究)も申し出を受けている。 以上ほぼ目的通りの成果を出すことができたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず、高次システムを複数の企業で議論するための技術の階層に関する研究で大きな成果があった。また技術の原理がモジュール化に制限を与えることを明らかにするなど、高次システム製品、高次システム産業を創造する上で基盤となる知見を順調に創出することができた。 また、産業界とのコンタクトも順調に進んでおり、24年度に研究会を開催に向けて、24年度7月に数十社のトップ経営層と高次システム産業研究の必要性に懇談する機会が得られることになった。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度の成果を踏まえ、まず産業界との研究会との研究会発足に注力する。研究においては技術の構造分析を進めると共に、原子力発電事業などの高次システム事例分析を行う。 海外との協力体制については、引き続き連携の強化に勤める。
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Research Products
(14 results)