2011 Fiscal Year Annual Research Report
「ひと」のつながりを重視したビジネスプロセスのモデル化
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23243057
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
飯島 淳一 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (80151223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妹尾 大 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 准教授 (90303346)
末松 千尋 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (80335231)
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Keywords | 経営情報 / ビジネスプロセス / モデル化 |
Research Abstract |
研究代表者の飯島は、Enterprise Ontology(2006,Springer)をはじめとする関連書籍および論文にひと通り目を通し、DEMO方法論の数理的形式化にもとづく基礎理論構築のための準備を行った。特に、DEMO方法論の一つの弱点である時間軸の取り扱いについて検討した。また、具体的な例について、DEMOモデルをPetriNetに変換し、シミュレーションを行うことができるようになった。これについては、TUDelftのDr.Barjisを3月の招へいし、意見交換を行った。さらに、DEMOモデルをDEVSとしてモデル化し、シミュレーションを行う方法論について、TUDelftのDr.Seck氏らと論文を執筆中である:研究分担者の末松は、ビジネスプロセス志向性の強化およびそのための実態把握と明示化を目的とする研究を行った。ビジネスプロセス志向性は本研究の前提となるが、その存在が弱い企業群においては業務実態を可視化しビジネスプロセスの欠落あるいは未整備が様々な問題の元凶となっている構造を明示化することが重要である。今期、36組織の約100の会議について調査した結果、オペレーショナルな技術と同等に、ビジネスプロセス志向性がその効率性と有効性に大きく影響していることが判明した。さらにこれら会議管理技術と企業のパフォーマンスの相関関係は非常に強いことがわかった;研究分担者の妹尾は、組織科学と知識創造の観点からビジネスプロセスを分析するための変数の特定と測定尺度づくり、およびケース教材を開発するための事例選定とデータ収集を実施した。前者では、ひとのつながりに関連する6つの変数(吸収能力、SECIバランス、部門間連携、外部連携、メンバーコミットメント、協調と信頼)を特定し、各々について質問項目を開発した。後者では、国内10企業(外資系2社を含む)へのヒアリング調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
DEMOモデルをいくつかのシミュレーション可能な言語に変換することについては、具体的な事例も含め、様々な方法を志向しており、予定通り達成しているところである。これと、従来から研究を進めている、モデル記述からProlog記述へ変換するソフトウェアを組み合わせることにより、計画しているソフトウェア開発が行えるものと考えている。また、当期の活動としては会議に焦点を当て観測・測定を国内15企業、2団体、ヒアリングを国内企業・団体6組織、海外企業・団体13組織に対して行った。会議の測定コストは相対的に非常に小さく(測定対象企業にコストはほとんど発生しないため協力を得やすい)、問題を簡潔に明示化するため、ビジネスプロセスの未整備に対する問題意識醸成の契機とすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、平成23年度までの研究成果をベースとした、DEMO方法論の理論的な側面に関する著作の執筆を予定している。このようなまとめを行うことにより、ソフトウェア開発および具体的なさまざまなビジネスプロセスの実践が加速度的に推進されるものと考えている。また、ビジネスプロセス志向性は本研究の前提となるが、その存在が弱い企業群においては業務実態を可視化しビジネスプロセスの欠落あるいは未整備が様々な問題の元凶となっている構造を明示化することが重要である。今期、36組織の約100の会議について調査した結果、オペレーショナルな技術と同等に、ビジネスプロセス志向性がその効率性と有効性に大きく影響していることが判明した。さらにこれら会議管理技術と企業のパフォーマンスの相関関係は非常に強いことがわかった。今後は継続的に、会議スコアリング手法を詳細化、標準化、汎用化させることに注力する予定である。これは詳細な実態調査・測定へ展開させる問題提起となりうるため、可能であれば業務実態全体の可視化にも展開させる。
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Research Products
(7 results)