2012 Fiscal Year Annual Research Report
医療領域の心理職養成カリキュラムに関するプログラム評価研究
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23243073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
下山 晴彦 東京大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60167450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石丸 径一郎 東京大学, 教育学研究科(研究院), 講師 (30435721)
高橋 美保 東京大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10549281)
袴田 優子 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (30450612)
森田 慎一郎 東京大学, 教育学研究科(研究院), 研究員 (90515123)
小堀 彩子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00432188)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 医療 / 心理職 / カリキュラム / 認知行動療法 / コンピュータ化認知行動療法 / 教育訓練システム |
Research Abstract |
4月に医療領域における心理職の教育訓練(特に多職種協働のための知識と技能)に関して、心理職を対象としてニーズ調査(質問紙法)を実施し、その結果について量的及び質的な分析を行った。また、その結果に基づき実習マニュアルに改定を加え、それを7月に5大学研究会及び9月に多職種を招いてのシンポジウムにおいて検討した。修士課程カリキュラムについては、暫定的に作成した実習マニュアル及び訓練プログラムに基づき、東京大学の臨床心理学コース修士課程院生に対して4月から試験的に実施した。11月にはリカレントカリキュラム関するワークショップを開催した。2013年度に繰り越したものは、カリキュラム開発とワークショップの結果についての効果分析を行い、その成果に基づいてカリキュラム改善を行うこと、さらにエクスター大学との共同討議を実施して、カリキュラムの最適化を行うことであった。効果分析によって認知行動療法及び発達障害の知識と技能の習得の必要性が高まっていることが明らかとなった。また、学習方法に関して、卒後訓練が必要となっており、多くの現場で働く臨床心理士が情報通信技術(ICT)を用いた遠隔学習を求めていることも示唆された。コンピュータ化認知行動療法の臨床活用が進んでいる英国のIAPT(Improving Access of Psychological Therapy)を中心に研究レビューを行った。今後、日本の医療領域において心理職がコンピュータ化認知行動療法を用いた実践を担う可能性が高いことが明らかとなったので ICTを用いた教育訓練ツール開発(特にコンピュータ化認知行動療法)を研究の中心に据え、カリキュラムの改善を行うこととした。エクスター大学との協議を重ねて第3世代認知行動療法のコンピュータ化と、その教育訓練システムの開発研究を行い、10月に東京大学においてエクスター大学と共催で国際シンポジウムを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
4月に医療領域における心理職の教育訓練に関するニーズ調査を実施し、その結果分析を行い、7月に5大学研究会及び9月に多職種を招いてのシンポジウムにおいて教育訓練プログラムを検討し、さらに11月にリカレントカリキュラム関するワークショップを11月に開催したことは、計画通りであった。ワークショップの資料及びアンケート分析から明らかとなった認知行動療法の教育訓練方法の開発については、コンピュータ化認知行動療法の開発を進め、エクスター大学との国際シンポジウムを実施できたことは大きな進展であった。発達障害の理解と支援のツール開発研究については、次年度の課題として準備を始めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策の中心となるのは、コンピュータ化認知行動療法の完成と、その効果研究である。また、コンピュータ化認知行動療法を活用した教育訓練システムの開発が重要となる。遠隔地で働く心理職が最新の認知行動療法や発達障害支援の方を学ぶためには、インターネットなどの情報通信技術を用いた教育訓練システムの開発が本研究課題の今後の推進に欠かすことができない課題であるといえる。併せて2013年8月に米国で発表となって新たな精神障害の診断分類体系(DSM -5)において大きな改訂がみられた発達障害、特に自閉症スペクトラム障害の理解と支援のための教育訓練システムの開発も重要な課題となった。
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Research Products
(18 results)