2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23243084
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志水 宏吉 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (40196514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲也 一橋大学, 社会(科)学研究科, 准教授 (10375214)
林嵜 和彦 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (10410531)
川口 俊明 福岡教育大学, 教育学部, 准教授 (20551782)
森田 英嗣 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50200415)
大前 敦巳 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (50262481)
高田 一宏 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80273564)
園山 大祐 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (80315308)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 学力格差是正策 / 国際比較 / 新自由主義 / 学力テスト |
Research Abstract |
本研究の目的は、6つの国(日本・イギリス・ドイツ・フランス・アメリカ・オーストラリア)における、子どもたちの学力格差を是正するための政策を比較・検討し、教育社会学的な観点からの整理を試みることにある。 義務教育段階にある子どもたちの学力格差の拡大という問題は、先進諸国と呼ばれる国々にとっての共通課題である。特に日本では、21世紀に入ってからこの問題が顕在化し、ますます深刻化する傾向にある。本研究プロジェクトは、国際比較の視点からこの問題にアプローチし、一定の理論的把握を行った上で、教育現場に対する実践的示唆を得ようとするものである。 本年度は昨年度に引き続き、1~2週間にわたる6か国での現地調査を行い、聞き取りや現地視察によって必要な情報・データを収集した。特に本年度は、各国における大都市圏(日:東京、イギリス:ロンドン、ドイツ:ベルリン、フランス:パリ、アメリカ:ニューヨーク、オーストラリア:メルボルン)での調査を行うことを共通の課題として設定した。 調査の結果明らかになったのは、6か国のうち日本を除く5つの国々で、学力格差の是正が重要な政策課題の一つとなっていたという事実である。しかしながら、どのような格差が最重要の課題とされているかは、国によって異なっていた(イギリスでは「貧困層」、ドイツでは「移民層」、オーストラリアでは「先住民」等)。また日本は、それらの国のなかで唯一、明確な学力格差是正策がとられていない国であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本調査の主要な計画である各国での現地調査がいずれも順調に実施されたこと、およびそれらの調査によって当初予定していた量的・質的データが十分に収集できたこと、その2点により、上の評価(「おおむね順調」)が妥当であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
いよいよ平成25年度が本研究プロジェクトの最終年である。メインの活動である各国での第3回現地調査を9月末までに実施し、年度後半には収集したデータに対する包括的・総合的な分析検討を行い、年度末の報告書作成につなげたい。
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