2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23244005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤原 耕二 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60229078)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小沢 登高 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60323466)
塩谷 隆 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90235507)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幾何学 / 作用素環論 / 離散群論 / 写像類群 / 測度集中 |
Research Abstract |
研究目的は、幾何学的群論とその周辺分野において質の高い研究成果を出すことに加え、国際研究集会の組織などを通して優秀な若手の研究参画を促すことであった。 実施計画として、代表者が4月にミッタ-グ・レフラー研究所における幾何学的群論のプログラムに参加・5月に京大とハウスドルフ研究所が開催する研究集会で講演・7月にオーベルボルファッハにおける研究集会で講演・8月に韓国KAISTにおける研究集会で講演する計画があったが、それをすべて達成した。また、代表者と分担者の小澤で6月に京大で大規模な研究集会を開催する予定であったが実施し、80名程度の参加者があった。国際的にトップクラスの講演者による分野への入門的な講演も多数あり、若手への教育的効果においても大きな成果があった。 今年度得られた研究成果として、代表者はBestvina-Brombergとの共同研究を継続し、写像類群の交換子積について引き続きいくつかのよい結果を得た。たとえば、トレリ群と呼ばれる部分群における交換子ノルムを考えると単位元以外の元で正になることを見出し論文執筆中である。 分担者の塩谷は、測度集中を基礎としてGromovが打ち立てた理論の解明を進めた。測度距離空間の全体の空間のコンパクト化としてピラミッドの空間があるが、そこに自然な距離関数を導入して研究した。応用として、半径が次元の平方根であるような球面について、次元が無限大へ発散したときの極限が無限次元のガウス空間であることを証明した。 分担者の小沢は、 Connes' embedding problemに関して顕著な結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究成果について、前年度の成果に基づき順調に成果を得ている。代表者は写像類群の交換子ノルムについて決定的な結果を得た。分担者は測度集中について顕著な結果を得た。 計画通り大規模な国際研究集会を開催して成功した。 代表者と分担者はいくつかの国際研究集会において成果発表して高い評価を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究成果については順調である。予定通りにならなかったのは研究支援者の採用であるが、これは平成25年度に繰越し行う。 平成25年度にも大規模な国際研究集会を開催する。京大数理研で開催予定で、国際的にみてハイレベルの講演者を獲得する。 幾何学的群論においては引き続き交換子ノルムの研究・作用素環にまつわる無限離散群の研究・測度集中の研究を続ける。主に交換子ノルムの研究に研究支援者が擬準同型の観点から参画する。 代表者と分担者がいくつかの国際研究集会で成果発表を行う。たとえば、代表者がヘルシンキにおけるネバリンナ・コロキウムで基調講演を行う。
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Research Products
(21 results)