2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23244016
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河東 泰之 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 教授 (90214684)
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Keywords | 作用素環 / 共形場理論 / 部分因子環論 / 超対称性 / 頂点作用素代数 / 数理物理学 / 正規状態 / 国際研究者交流,イタリア |
Research Abstract |
Carpi, Hillier, Longo, Xu と共に,中心電荷cが離散系列c < 3に属するときの,Neveu-Schwarz 代数の真空表現から生じる N=2 超Virasoroネットと非可換幾何の関係について研究した. N=2 超 Virasoro ネットからは,その普遍C*-環が生じるが, ある種のDHR表現がそのC*-環のK_0-群の元を与えることを示し,一方,これらのDHR表現が,Connesの意味での entire cyclic cohomology の元,JLO-cocycle を生じることも示し,それらの間の index pairing を計算し,Kronecker δ が生じる ことを示した. また,この流れの中で,物理学者の予想していた,character formula の新しい証明を作用素環論を用いて与えた. Carpi, Longo と共に境界共形場理論を作用素環論の立場から研究した.具体的には,2次元 Minkowski 空間上の A tensor A の形の完全有理的 CFT ネットに対し,それと局所的に同型な境界共形ネットを作り出す一般的方法を与えた. Suthichitranont と共に,正則局所共形枠付きネットの構成を行った.これは c=1/2 の Virasoro ネット有限個のテンソル積を, ある条件を満たすbinary codeの組(C,D)を用いて延長するもので, Lam-山内の頂点作用素の結果の作用素環版にあたる. 緒方,Stormer と共にIII型因子環 M,その有限次元 C*部分環 A,M上の正規状態 φ_i, i=0,1,...,n, (φ_0は忠実) に対し,Mの unitary uがあって,A上 Ad u φ_i=φ_0, i=1,2,...,n, となることを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超共形場理論の研究については当初の目的を達成した. 頂点作用素代数との関連の研究についてはまだかいめいされていないてんがいろいろあるのでさらに研究を進めたい. 境界共形場理論の研究はまだ初期段階だが,最初の結果は順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
境界共形場理論の研究をテンソル圏の立場に重点を置いてさらに進めたい. さらに頂点作用素代数との関連の研究もこれと関連させながら進めていきたい. 因子環の正規状態の研究は当初の予定とは別の流れから発生したものだが,興味深いテーマと思われるので,これまでの研究と関連付けて研究を進めていく予定である.
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Research Products
(10 results)