2013 Fiscal Year Annual Research Report
次世代大規模探査とシミュレーションで挑む宇宙再電離
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23244025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大内 正己 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (40595716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林野 友紀 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 共同利用研究者 (10167596)
森 正夫 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 准教授 (10338585)
梅村 雅之 筑波大学, 数理物質科学研究科(系), 教授 (70183754)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 銀河天文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに取得されたHSC試験観測データを用いてHSC広帯域データの解析手法を確立し、HSC NB探査の本観測の準備を行った。具体的には現在作成中のHSCデータ解析パイプラインを用いて本観測と同等程度の枚数の画像のスタックの手法を確立した。スタック画像はSubaru/Suprime-Camでこれまで得られている、深さと積分時間の関係をthroughputの違いでスケールしたものとほぼ同じであることを確認した。一方で、これまで観測されている主系列星とHSCデータから得られた星を2色図上で比較したところ、解析パイプラインがもたらす測光原点がズレている可能性が出てきた。解析を進めた結果、多色バンドのデータ毎にPoint spread function (PSF)の形が違うことが原因だとわかった。この違いを避けるために、明るい天体は全等級を使い、暗い天体は各バンド毎にPSFの75%のフラックスが含まれる測光円を用いることで、自己矛盾のない測光値を多色バンドで得る技術を確立した。さらに、NBフィルターの位置毎の透過特性の違いを考慮して測光原点の違いを求めた。これらの作業は筑波大学にて雇用される研究員が中心になって行った。一方で、理論側の作業としてはシミュレーションの構築を行い、HSC-NB探査の観測量(光度関数と相関関数等)を予言し、HSC観測結果との比較ができるよう準備を行う。また、これらの進捗と今後の研究方針を話し合うため、共同研究者会議を5月に東京大学柏キャンパスと11月に神戸大学で行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年秋にハワイにてすばるHSC試験観測を行う予定であったが、現地ハワイでの観測時間帯である夜間において想定外に高湿および曇天が続き、天体観測に適さない天候状況であったため、予定していた試験観測が延期された。これにより予定されていたデータを用いて行うはずだったHSCデータ解析手法の確立と測光原点の解析は数ヶ月の遅れが出てしまったが、その後は変更した研究予定通りに順調に研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
HSCデータ解析について大筋の内容が確立された。平成26年度は取得されたHSC狭帯域データをもとに遠方銀河サンプル構築を終了させ、科学解析を完了させる予定である。さらに、理論モデルとの比較から、得られた解析結果の科学的解釈を行う予定である。
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Research Products
(7 results)