2013 Fiscal Year Annual Research Report
ウルトラ・ビスタによる初代銀河と宇宙再電離の観測的研究
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23244031
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
谷口 義明 愛媛大学, 宇宙進化研究センター, 教授 (40192637)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 / 宇宙再電離 |
Research Abstract |
2012年に既に速報論文として初期成果を公表したが (Bowler et al. 2012, MNRAS, 426, 2722)、平成25年度は引き続き、赤方偏移 z > 7の銀河の系統的な探査を行ってきた。その結果、赤方偏移 z = 6.5 - 7.5にある34個の若い銀河の発見に成功した。この結果は上記速報論文の成果の確認につながり、我々のデータ解析の高い信頼性を示すことができた。これらの銀河はいずれも明るく(絶対等級で-21.2等級より明るい)、従来の探査では発見されてこなかったものである。これらの明るい若い銀河の絶対数は少ないことが予想されるので、狭い視野での深宇宙探査では発見されにくいものである。しかしながら、ULTRA VISTAプロジェクトでは広い視野の観測を行っているので、これらの明るい若い銀河の検出に成功したといえる。明るい若い銀河は初期宇宙には存在しないのではないかと考えられていたが、今回の発見は従来の固定観念を打ち破る成果となったといえよう。 今回の成果はULTRA VISTAプロジェクトの第2回目のデータリリース(DR2)を用いて行われた。DR2の成功はこの後の研究の進展を約束してもらう結果になったので、今後も、新たなデータを追加して、DR3、DR4、・・・とバージョンを上げていきたい。近赤外線の広視野撮像観測のデータ解析は慎重にノイズ除去などを行う必要があるので、解析は長期間に及ぶことになるが、さらに深い撮像データが得られれば、今度は暗い(即ち、質量の軽い)銀河の探査も行えるので、意欲的に研究を展開していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、赤方偏移 z = 6.5 - 7.5にある34個の若い銀河の発見に成功をおさめることができた。この成果は、従来の研究では検出されてこなかった、明るい若い銀河が初期宇宙に存在することを示した点で、当該分野の研究の進展に大きな貢献ができた。しかしながら、我々のゴールはこれだけではないので、“おおむね順調に進展している”とさせていただいた。
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Strategy for Future Research Activity |
ULTRA VISTAプロジェクトの観測は現在も続いており、今後も、新たなデータを追加していく予定なので、さらに深い撮像データを得ることができる。初期宇宙にある明るい若い銀河のみならず、今度は暗い(即ち、質量の軽い)銀河の探査も行えるようになると期待している。引き続き、意欲的に研究を展開していきたい。
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Research Products
(14 results)