2014 Fiscal Year Annual Research Report
タウレプトンの異常磁気能率の精密測定による新物理探査
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23244045
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
相原 博昭 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60167773)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / Bファクトリー / タウレプトン / 異常磁気能率 |
Outline of Annual Research Achievements |
KEK B ファクトリー加速器の実験で収集した約5億のタウ反タウ対のデータを使ったタウレプトンのレプトン崩壊のパラメータ(ミッシェルパラメータ)の精密測定の解析が大幅に進展した。実験条件や複雑なバックグランドに起因する多くの系統誤差(systematic errors)の原因究明と対処が進み、論文完成の一歩手前の段階に到達している。得られたミッシェルパラメータの統計精度は、先行研究の約4~5倍良い精度となっている。さらに、タウレプトンの輻射レプトン崩壊(radiative leptonic decay)を使って、これまで測定できなかった2種類の崩壊パラメータを測定する方法を開発した。また、終状態に5つのレプトンを含むタウの崩壊事象の探査についての検討を開始した。
ビーム強度を40倍に増強したKEK B ファクトリー加速器(スーパーKEKB)での実験環境においても優れた性能を発揮する電磁カロリーメータの候補として、純粋CsI結晶を使った応答の早いカロリーメータを開発している。今年度は、純粋CsI結晶にAPD(Avalanche Photodiode)を接合した電磁カロリーメータを試作し、放射線同位元素を使って試験をした。十分に低いノイズレベルが達成できている。複数のAPD を一つの結晶に取り付ける、波長変換プラスチックを使うなどさらなる取り組みを進めた。実験で得られた光の収集効率を説明するためのシミュレーションプログラムも開発した。これらの成果は測定器開発に関する国際会議等で報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データ解析とカロリーメータ試作の作業が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
論文を完成させるとともに、最終報告をまとめる。
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Research Products
(4 results)