2011 Fiscal Year Annual Research Report
r-過程重元素合成経路における中性子数126近傍核の生成分離法の開発
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23244060
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
鄭 淳讃 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (00262105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮武 宇也 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50190799)
石山 博恒 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究機関講師 (50321534)
渡辺 裕 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (50353363)
今井 伸明 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (80373273)
平山 賀一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教 (30391733)
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Keywords | 単一核種生成分離器 / 多核子移行反応短面積 / ガスセル / 質量分離器VAMOS / 入射核側破片核 / 標的核側破片核 |
Research Abstract |
当年度には、単一核種生成分離システムの主要な要素の製作及び設置を主に行った。又、フランスGANILで、質量分析器VAMOSを用いて136Xe+198Pt反応系について多核子移行反応断面積を導く実験を行った。 (1)単一核種生成・分離器の構築:当装置の要となるガスセルシステム(ガス系、ガスセル、ガスセルチェンバー、SPIG、差動排気系、レーザー系)を完成させて、差動排気試験を行い、ガスセルチェンバー内は予定通りの真空度分布が持たれること、又イオンを引き出すのに必要な高電圧がかかることを確認した。又、ガスセル内に設置したニッケルフィラメントからニッケル原子を発生させ、ガス流によってレーザーイオン化領域まで運び、レーザー照射により引き出されるイオンを確認した。又、ガスセルシステム下流の質量分離器、ビームラインの設置も終了した。これにより、全系の本格的な試験運転が出来るようになった。 (2)多核子移行反応短面積測定実験:136Xe+198Pt反応系について多核子移行反応チャネルの断面積測定を行った。この実験では、VAMOSにより入射核側破片核(Projectile Like Fragments:PLF)を測ると同時に、標的周りで標的核側破片核(Target Like Fragments:TLF)からのガンマ線を測った。VAMOSの焦点面測定器により、PLFの同定(質量数と原子番号の同定)が出来き、又TLFの同定は脱励起ガンマ線により行う。今度の実験では、核図表に於いて該当する領域のPLFは同位体毎に同定することが出来、ガンマ線のスペクトルも予定通り取れたので、当反応系のような重い反応系について、世界的にも初めてPLFとTLFの生成短面積を同時導出が期待される。これにより、中性子過剰な重い原子核を実験室で生成する際に、多核子移行反応がどの程度有効であるかについて議論出来る。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに、年度内単一核種生成分離器の主要部分の設置が終わって、基本動作試験ができた。又、フランスGANILにおける多核子移行反応短面積測定実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に構築した単一核種生成分離器の試験を行い、全系の性能を確認する。又、本年度に行った多核子移行反応短面積測定実験のデータを解析して纏める。
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Research Products
(5 results)