2013 Fiscal Year Annual Research Report
高強度テラヘルツ電場によって実現する新しい物質状態
Project/Area Number |
23244065
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 耕一郎 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90212034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣理 英基 京都大学, 学内共同利用施設等, 助教 (00512469)
有川 敬 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70598490)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | テラヘルツ光 / 非線形光学効果 / キャリア増幅 |
Research Abstract |
本研究では、高強度テラヘルツ光源をもちいて、固体内にメゾスコピックな「電子加速器」を構築し、基底状態を大きく変革して新しい物質状態を生み出すことを目的とする。 今年度はシングルサイクルの高強度テラヘルツ光源を改造して、マルチサイクルの高強度テラヘルツ光(スペクトル幅:50 GHz以下, ピーク電場強度: 10 kV/cm)を発生させ、磁性体結晶における磁化の強制駆動をおこなった。テラヘルツ磁場成分を増強するため、希土類フェライト試料に金属構造体を付与した。これにより、外部磁場に比べて磁場強度を30倍以上に増強することに成功した。テラヘルツ光の周波数を希土類フェライト試料の反強磁性モードに共鳴させることで、磁気モーメントの歳差運動を大振幅に誘起することに成功した。Landau-Lifshitz-Gilbert方程式を用いた理論解析により、従来の可視円偏光パルスを用いた実験よりも、500倍以上効率良く磁化変化を誘起できることを明らかにした。 さらに、大気プラズマテラヘルツ発生法の低周波および高周波領域の強度および偏光を同時に測定する手法を開発した。従来行われているポッケルス効果を用いたテラヘルツ電場の測定に加え、位相整合条件を必要としないカー効果を用いた測定を同時に行うことで、0.5~7.5 THzおよび20~50 THzの領域の電磁場の偏光と強度を高感度かつ時間分解的に検出した。これにより、低周波および高周波領域をつなぐ発生メカニズムを明らかにした。また、ディラック電子系に特有な非線形光学過程を考察するために、高強度テラヘルツ照射下でおきる非線形光学応答の理論計算をすすめた。その結果、高い電場でZenerトンネル効果が生じると同時に、高調波発生がおきることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)