2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23244071
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大谷 義近 東京大学, 物性研究所, 教授 (60245610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新見 康洋 東京大学, 物性研究所, 助教 (00574617)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非局所スピン注入 / スピンホール効果 / スピン吸収 / スピントルク磁気共鳴 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、これまでに独自に開発したスピン吸収やスピンホール効果を利用した非局所スピン注入手法を物性開拓の道具立てとして活用することにより、微小磁気モーメントのダイナミクス、磁気相転移や金属絶縁体相転移等の諸現象が現出する革新的な物質群を開拓し、素子設計手法を確立することである。 本年度は、昨年度スピン注入が可能と判断したGd-doped EuSを用いて磁化測定と低温透過電子顕微鏡観察を対比させる実験を行った。その結果、Gdドープ量に応じてs-f交換相互作用が増強されキュリー温度の増大(15 Kから80 K)と同時に磁気ドメインも増大すること、これらの物性変化に伴い相転移を特徴付けるユニバーサリティクラスもハイゼンベルグ型から平均場型に変化することが分かった。これらの結果について論文に纏めApplied Physics Express誌に発表した。しかしながら予想以上にドメイン構造は複雑であり、微細化により制御性が向上する可能性は低いと判断した。そこで、スピン注入に伴い非線形な効果を出現させる事を目的に、超伝導体Nbへの非局所スピン注入を行った。超伝導体Nb中に準粒子スピンを非局所注入することが可能であり、励起電流に対して非線形に変化することを実験的に示した。具体的には、励起電流を低減させるとスピン緩和時間は常伝導状態に比べて400%増大することを見出した。この成果が超伝導準粒子を媒介とした巨大スピンホール効果の発見に繋がった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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